新型コロナ禍で新しい生活様式に移行する中、空室リスクコンサルタントの石川龍明先生にアパート経営を失敗しないためにやっておくべきことについて執筆していただきました。最終回は、今まで行ってきた市場環境リサーチから読み取る8つのポイントについて語っていただきました。

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専門家コラム

公開日
2020年09月18日
更新日
2021/09/10
カテゴリ
専門家コラム, 新築(専門家コラム), 賃貸住宅の新規建築
タグ
石川 龍明

【アパート経営】必要な準備は?注意すべき8つポイントを紹介

石川 龍明

この記事を書いた専門家

空室リスクコンサルタント石川 龍明

土地活用プレーイングマネージャー、賃貸に特価した上級コンサルを通して、資産の有効活用を多数手がけたノウハウを活かし、個人の資産形成に関する相談業務やセミナー等を全国で開催している。新賃貸の預言者HPにて情報発信中。

【アパート経営】必要な準備は?注意すべき8つポイントを紹介

変わりゆく世の中(ポストコロナ)、変わりゆく賃貸市場をいろいろな角度からリサーチして、次の一手を自分自ら打つ。
海図と羅針盤役となるのが市場環境リサーチだ。

新築のアパートメントを考えたり、事業再生リノベーションを考えたり、いっそ売却を考える…などの資産の組換えを行う時に最初に行うのが、この市場環境リサーチとなる。

このシリーズは今回で最終回となるが、今まで行ってきた市場環境リサーチから読み取る8つのキーワードを紹介して、今回の市場環境リサーチに関するコラムを締めることにしよう。

※これまでの市場環境リサーチの記事のリンクはこの記事の最後にあります

これまでのまとめ

これまで、3回にわたり、アパートメント経営において外すことができない調査「市場環境リサーチ」とそれに紐づく4つのサマリーと5つのポイントについて説明してきた。

市場環境リサーチの4つのサマリーと5つのポイント

市場環境リサーチから読み取る8つのキーワード

市場環境リサーチの4つのサマリーから読み取れる8つのキーワードは下記のとおりだ。

  1. 家賃・管理費
  2. ペルソナ(ターゲット)
  3. コンテンツ(建物)と間取り
  4. タイムスケジュール
  5. リーシング
  6. キーマン
  7. ライバル比較
  8. オペレーション構築

1.家賃・管理費

市場環境リサーチからエリアの相場家賃(平均家賃)は90,000円と出た。
そこから1.1倍~1.2倍が創造家賃と考えると、以下が算出できる。

今回は、1.2倍となる108,000円を創造家賃に設定した賃貸住宅を考えてみよう。

一度下げた家賃は二度とあげられない。
だから最初の家賃査定は妥協しないで設定したいものだ。
しかし、根拠のない高額家賃は入居者から嫌われるので注意すること。
また、管理費は通常だとこのエリアは4,000円くらいだがWi-Fi使い放題で5,000円の設定とする。

この家賃108,000円+管理費5,000円の創造家賃を確定させる為に、次のリサーチを見ていこう。

2.ペルソナ(ターゲット)

さて、上記の情報からあなただったらどんなペルソナ(ターゲット)の絞り込みをするか?
もう、万人受けする商品(間取り等)など無いので、賃貸経営でも絞り込むことが必要となる。

答えとして、僕だったら30歳以上の男女単身富裕層と新婚&ディンクスをペルソナ(ターゲット)としたい。

3.コンテンツ(建物)と間取り

市場環境レポート5より、用途地域が商業地域、及び防火地域なので、木造はこのエリアでは難しい。
従って、RCマンション4階建てエレベーター付き12世帯くらいのボリュームを考えることにした。

ゾーニングは中部屋のような、採光が少ない部屋を無くすため全て角部屋にして、1フロア3室の4階建て12部屋の企画とした。

間取りは大きく2パターンだ。

ファサード外観は、パリのアパルトマンスタイル。
部屋のコンセプトは、以下の3つはどうだろう。

この企画で相場家賃108,000円+管理費5,000円をキープする。

パリのアパルトマンスタイル
出典:「N’STORY小冊子」より

4.タイムスケジュール

来年6月を完成時期と考えると、8月に契約が決まり、10月にRCマンションの工事を着工、8ヶ月の工事期間で完成させる。
タイムスケジュールは必ず入居時期から逆算して考える。
入居時期は2月・6月・9月くらいを考えたい。

今回、2月~3月のピークは工期の関係で間に合わず、6月に引き渡しをすることになるが、この場合の入居者動向は、転勤が4月に決まって引っ越しは6月というのが多く、また新婚は、ジューンブライドに新居を構える。

5.リーシング

リーシングとは客付けのことで、賃貸物件の借り手がつくまでのサポートを行うことである。仲介業務と同じような意味で使用される。

リーシングのサポート対象となるのは、主にオフィスビルやテナントビルなどの商業用不動産で、居住用不動産に対してリーシングの手法が用いられることはほとんどない。

市場環境リサーチから読み取った、家賃設定とペルソナ(ターゲット)目線の間取り等を、建物の確認申請が下りたらすぐ、リーシングのサイト(空中戦)を作り情報発信(募集)を始める。

それと同時に小冊子(陸上戦)を創り、多方面に渡り情報発信をする。
そして建物が完成した際に、内覧したい人たちを集めてリスト化しておく。

6.キーマン

情報の一人歩きが優良な入居者を確保する鍵となる。
最初の作業は、空中戦として簡単に作れるWEBページだけでも良いのでアップを心がける。

この時にもエリア概要、ペルソナ(ターゲット)設定の市場環境リサーチが役に立つ。
次に、陸上戦の小冊子を作り、近隣不動産店に配布するとともに、内覧に来てくれた人たちに渡し、持って帰ってもらう。

部屋を内覧した人達は気に入ればその後必ずキーマンに相談をする。
この時に渡した小冊子が魔法かけて一人歩きする。

※キーマンとは
ファミリータイプでは、奥さんとお子さんが内覧したときにはキーマンはご主人になる。
単身の男性・学生は家族がキーマン。
単身の女性・社会人は友達がキーマン。

この内覧した人達がキーマンに部屋の良さをなかなか言葉で伝えられないところがあり、特に高値の家賃は金額面でスポイルされやすい。
そのような時の為に、前述の小冊子をプレゼントしておく。

そして、そのキーマンたちが、
「ちょっと高い気はするが、この物件は他と違ってなかなかいいねぇ」
と言ってくれた時点で部屋が決まる。

7.ライバル比較

ここまで、市場環境リサーチからスキームを組み立ててきたが、次に、ライバルとなる物件との比較が必要だ。

『敵は己なり』という言葉があるが、やはり自分と同じ時期に建つ周りのアパートメント・マンションは、リサーチしておく必要がある。

ライバルとなる物件だが、以下の傾向だ。

どこに建ててもハンコで押したような同じ建物は、十分、自分たちの建物の方に勝算はある。

ライバルも市場環境リサーチをして、ターゲットを絞り込み、ファサードデザイン・エントランス・間取りなど、入居者目線の差別性を持ったものを創り込まれると、このエリアの優良な入居者の奪い合い(ライバル)となる。

そんなわけで自分の建物が着工したら周りの状況もしっかり把握しておこう。

8.オペレーション構築

建物が建った後の管理業務オペレーションをどうすべきか?
現状、全国的には自主管理をしているアパートメントオーナーが半分以上いると言うが、首都圏は特に管理会社へアパートメントの管理を頼んでいる人が多い。

そしてもし任せるとしたら自分で何を、どのように任せているかということをしっかり把握することが大切になってくる。

以上、市場環境リサーチが終わった後に行う8つの分析を確認し、一緒に手伝ってくれるビジネスパートナーを見つけることがアパートメント企画の第一歩となる。

New Normal、新しい時代は決して人から説得されるのではなく、いろいろなものを自分なりに見て、聞いて、触れて、信頼できるビジネスパートナーを探し、そこに委ねるものだと思う。
その情報源としてこのHOME4Uオーナーズの専門家コラムを読んで頂きたい。

また、複数社よりプランの提案を頂ける「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」といったサービスもあるので、活用するのも手だ。

農地を持つ次世代家主のペイン(痛み・問題点)

3回に分けて3人の若者たちをモデルに書くことにする。

今回は、3人目の農地を持った家族の話をしよう。

私は神奈川県・大和市に農地を持つ地主の長男だ。
横浜から海老名を繋ぐ相鉄線と小田急線が交差する街だ。
まだまだ農地の残っているこの街で、ウチも家族で食べるだけの野菜と米を創っている。
一反(300坪)の畑と、もう一反(300坪)の田を持っている。
しかし両親も70歳を超えて、口には出さないがそろそろ農作業も辛くなっていると思う。
私自身もオフィス家具・設備の会社で仕事していて、自分の仕事と部下の面倒で毎日忙しく動いている。
長男なので、いずれは両親の介護を含めた面倒も農地を含めた不動産の資産継承もしなくてはいけない覚悟ももっている。
ずっといつかはやらなくてはいけないと思いながら、今に至っている。
そしてモヤモヤする気持ちと漠然とした不安を抱えている。

農地を持つ次世代地主の長男は本当に大変だ。
今、このコラムで話している市場環境リサーチは、この変わりゆく市場を多方面にわたりリサーチして、次の家主が次の一手を打つ、海図と羅針盤の役をする。

農地を所有する家族は大きく3つのテーマを考えたい。

一つ目は、後継者問題だ。
今は両親で農作業をやっているが、長男の代になって親の介護や自分の仕事をしながら農地の面倒はとても見切れないと思っている。
何処かで父親と資産組換えを話し合わなくてはいけない。

二つ目は、土地活用企画問題だ。
農地は駅前のピカピカの土地ではないので、市場環境リサーチをしてペルソナ(ターゲット)設定や、間取りの考え方をしっかり考えないと、空室問題で将来頭を抱えることになる。
昔言われていたアパートメントの10年マジック(新築から10年くらいは大丈夫)は、今では、5年プレミアム(5年で満室経営が難しくなる)時代になったので、安易な企画だと経営は悪化する。

三つ目は、相続税対策問題。
平成4年にこの農地は宅地並みの課税となり、相続税の評価額は更地扱いとなるので、親の健康のための農作業も考えながら、いつかは相続対策も視野に入れて考える必要がある。

そうなってくると、今回の農地の出口としては、大きく3つではないだろうか。

※住居系(アパートメント)を建てる時は農業転用申請が必要となる

農地は農地で、家族で話し合う項目がいっぱいあるのだ。

「大切なものを守る」ということ

「大切なものを守る」ということ…あるアメリカの本に書いてあったが、お金も不動産資産もあの世までは持って行けない。

しかしたった一つ持っていけるものがある。
なんだろう…?
それは「思い出」だ。

今は新型コロナ等も含め大変なときだ。
新型コロナだけとっても2つの大きな不安に繋がっている。
ひとつは新型コロナという感染症の病気の恐怖、もう一つは新型コロナによる経済的恐怖だ。

今、世の中は新型コロナの時代。
遠くさかのぼること、日本の歴史の中に幕末・明治という時代があった。

その時代にも疫病が流行り、コレラをコロリといっていたようだ。
この時代はこの時代で大変恐ろしかったことだろう。

コロナとコロリ…
なんとなく似通った呼び方だか偶然なのだろうか?

そして、この時代には、若きサムライたちが日本を、志を持って大きく変えた。

この令和の時代とどこか重なるところがある。
サムライの語源は 「さぶらう」という動詞だと言う。
「さぶらう」の意味は「大切なものを守る」という意味だ。

自分で決断する時代。
いままでどうだったか、これからどうするか、良いセルフイメージを持つことが大切だ。
仕事ひとつとっても、自分から楽しんでワクワクしながらやるのと、ただただ指示を待ってやるのでは大きな差がつく。

人生の将来についてワクワクする。
自分の賃貸経営についてもワクワクする。
このようにするためには決断を自分ですることが大切になる。
最高の自分を想像してそれに向かっていくことだ。

決断とは、決めることと断つことだ。
New Normal時代・ポストコロナの時代は、決める事(増やす)より絶つ事(減らす)ことを試されているのかもしれない。

これは自分・会社・日本だけでなく世界的にそうなってくる傾向だ。
新型コロナ騒動で分かったものの一つとして世界は確実に繋がっているという事だ。
それぞれ自分の覚悟が大切な時期に来る。
さ・ぶ・ら・う 大切なものをどう守るかを考える時だ。

最後までお付き合いいただき、心より感謝するとともにペンをおく。
また、次回のコラムでお会いしましょう。

まとめ

今回ご紹介した市場環境リサーチについて、あらゆる角度から分析をしなければ、「あなたの土地」を具体的に把握する事は難しい。
あなただけで行う事は非常に骨の折れる作業なのだ。

そんな時は信頼できるパートナーが必要だ。
複数社よりプラン請求を頂ける、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」といったサービスもある。

こういったサービスも利用し、あなたの信頼できるパートナーを見つける事も一つの手だ。

「yosoro!」

この記事を書いた専門家

この記事を書いた専門家

石川 龍明

所属 横濱快適住環境研究所
職業 空室リスクコンサルタント

建設会社で土地活用プレーイングマネージャーとして、販売戸数を300戸から1800戸に伸ばす。その後、コンサルティング会社で賃貸に特価した上級コンサルを務め、賃貸市場を実践の現場で体感する。その期間を通して、長期にわたり資産の有効活用を多数手がけ、そこで蓄積されたノウハウを活かし、個人の資産形成に関する相談業務やセミナー等を全国で開催している。新賃貸の預言者HPにて情報発信中。

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3つのポイント

POINT 1

大手ハウスメーカーとほぼ提携。
これだけの大手企業が揃っているのはHOME4U オーナーズだけ。

POINT 2

47都道府県すべてに対応。
大手だけでなく地域に精通した企業とも提携しているのでさまざまな提案が受けられる。

POINT 3

NTTデータグループ運営なのでセキュリティは万全。プラン請求した企業以外からの営業は一切なし。

提携企業の一例


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