アパートの相続時には様々な相続税節税のテクニックが活用可能で、それを利用して相続税対策にする方も多くいます。ここではアパートを活用した相続税節税の方法と基礎知識について主に解説します。

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更新日
2024.02.14
カテゴリ
アパート経営

【基礎から解説】アパートを活用した相続税の節税方法と基礎知識

【基礎から解説】アパートを活用した相続税の節税方法と基礎知識

アパートの相続時には様々な相続税節税のテクニックが活用可能で、それを利用して相続税対策にする方も多くいます。

ここではアパートを活用した相続税節税の方法と基礎知識について主に解説します。

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この記事のポイント まとめ
アパートを活用した相続税の節税方法

アパート経営を活用した「相続税」の節税対策は、主に以下の3種類があります。

  1. 相続税評価額を下げて、節税をする方法
  2. 生前贈与をして節税をする方法
  3. あえてローンを組んで節税をする方法

詳しくは「1. アパートを活用した相続税の節税方法」をご覧ください。

相続税以外の税金を節税する方法

「相続税」以外でも、節税できる税金があります。

  1. 固定資産税
  2. 都市計画税
  3. 所得税・住民税

詳しくは「2. 相続税以外の税金を節税する方法」をご覧ください。

1. アパートを活用した相続税の節税方法

相続税は、基本的に相続財産が3,600万円以下だと、相続税負担はありません。
また被相続者が亡くなった日から、10か月以内に申告をする必要があります。

アパート経営を活用した「相続税」の節税対策は、主に以下の3種類です。

  1. 相続税評価額を下げて、節税をする方法
  2. 生前贈与をして節税をする方法
  3. あえてローンを組んで節税をする方法

以下、詳しく説明していきます。

相続時に必要な手続きや、流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

相続税対策の具体的な相談先を知りたい方は以下の記事を、ご覧ください。

1-1. 相続税評価額を下げて、節税をする方法

相続税評価額を下げて相続税を節税することができます。

方法は、大きく分けて2つあります。

  • アパートの入居者を増やす
  • 小規模宅地等の特例を適用する

1-1-1. アパートの入居者を増やす

土地にアパートを建てると「貸付建付地」となり、「アパートの入居者を増やす」と相続税評価額が下がるようになって、支払う相続税を少なくできます。
「アパートを建てた土地」も「アパートの建物自体」もそれぞれ評価額が下がります。

アパートが満室である状況だと最も節税額が大きくなり、

「アパートを建てた土地」の評価額は、
満室だと、半分しか入居していない場合と比べて大体15%程度下がります。

「アパートの建物自体」の評価額は、
満室だと、半分しか入居していない場合と比べて大体10%前後下がります。

さらに詳しい説明や事例を見たい方は、以下の記事をご覧ください。

また空室対策については以下の記事で、詳しく解説しています。併せてご覧ください。

1-1-2小規模宅地等の特例を適用する

「小規模宅地等の特例」とは、一定の条件に適合する方が相続した宅地の評価額が下がる仕組みで、評価額が下がった分支払う相続税を少なくできます。

これを活用するには一定の条件があり、特にアパート用地に対して活用する場合は、相続発生時の3年以上前からアパート経営をスタートしている必要があるという点にご注意ください。

この特例では土地を大きく以下の3区分に分類しており、それぞれ評価額の下がり方は異なります。
区分ごとにどのくらいの減額がされるかも併せて、以下の表で簡単にまとめました。

【小規模宅地等の特例の区分&限度面積・減額割合 一覧】
相続人が住んでいる土地 適用できる土地の限度面積=330㎡
減額割合=80%
事業をしていた土地 適用できる土地の限度面積=400㎡
減額割合=80%
賃貸していた土地 適用できる土地の限度面積=200㎡
減額割合=50%

例えばアパートを経営している300㎡の土地を相続した場合、

  • 200㎡までの相続税評価額が50%減額されて税金が安くなり
  • 残り100㎡に関して、通常の相続税を支払う

計算になります。

さらに詳しい要件や、利用区分については下記の国税庁ホームページをご確認ください。

【参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

1-2. 生前贈与をして、相続税の節税をする方法

「生前贈与」に関する制度を活用することで、「相続税」の節税をすることができます。

まとめると、
「相続税より安い税率になる金額の範囲で毎年少しずつ贈与して相続をすすめつつ、すこしでも生前に相続財産を減らしておく」という方法になります。

具体的には、例えばアパートの所有権であったり、法人化して経営しているならその株式を少しづつ譲るといった事をします。

これには大きく2つの「活用ポイント」があります。

・基礎控除(非課税)枠の活用

基本的には「生前贈与」にも贈与税がかかりますが、基礎控除として非課税枠(110万円/年)があるので、それを活用すれば税金がかからない形で少しづつ相続財産を贈与できます。
つまり金額は少額ですが、無税で少しづつ相続が可能という事です。

・相続税と贈与税の「税のかかり方の違い」を活用

相続税も贈与税も累進課税で「10%~55%」の税率がかかります。
資産が多い程税率も上がるのですが、

  • 相続税は相続発生時点での「資産評価額」
  • 贈与税は「ある1年に贈与した金額」

を基準に税額が変わります。

なので、毎年、想定する相続税の税率よりも低い税率で収まる金額の範囲で贈与を行えば、税率の差分節税になります。

そして上記2つの方法を用いて少しでも生前に相続財産を減らしておけば、後々かかる相続税も減る事になります。

またこの際、活用できる贈与の制度は主に以下の2つです。

  • 相続時精算課税制度(相続財産の金額が大きい方向け)
  • 暦年贈与(相続財産の金額が少ない方向け)

これら2つの制度については、以下で詳しく説明しています。

また、制度を利用するために、いくつかの要件や制約があるため、詳しくは国税庁のホームページをご参考ください。

【参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

1-3. あえてローンを組んで節税をする方法

「借入金は相続した財産の評価額からそのまま差し引かれる」という仕組みを使って、ローンを組んで節税する方法があります。

ローンは、借りた金額がそのままマイナス分として相続税評価額から差し引かれます。
つまり、相続時点で500万円のローンが残っていた場合は、-500万円の相続税評価額となるということです。

<ローン残高が残っていた場合の、相続税評価額の図>

無理なく返済できるローンを「わざと残す」ことで、相続税評価額を大きく下げることができるようになります。
修繕や増築のために借入を行い、同時に節税対策をするのも、一つの手です。

しかし、あくまでも余裕をもった経営をすることが、一番重要です。
節税対策のために無理にローンを組むことは絶対にやめましょう。

詳しくは国税庁のホームページをご参考ください。

【参考:国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」

2. 相続税以外の税金を節税する方法

アパート経営を行うと、相続税以外にも以下の税金も節税する余地があります。

【アパート経営で節税できる相続税以外の税金とその節税効果】
固定資産税 部屋数×200平米までの範囲で
評価額を6分の1にできる
都市計画税 部屋数×200平米までの範囲で
評価額を3分の1にできる
所得税・住民税 課税計算上赤字の状態を作ることで節税可能

それぞれの節税方法について、順番に解説します。

2-1. 固定資産税、都市計画税の節税

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される税金です。
アパートや一戸建てなどが建つ人が居住する土地は、住宅用地の特例措置が適用されます。

一般の住宅の場合は、一戸あたり200㎡まで固定資産税評価額が6分の1、都市計画税評価額は3分の1に減額されますが、アパートの場合は各戸数ごとに200㎡まで前述の減額がされるため、大幅な節税が可能です。

固定資産税等は毎年課税され続けるため、アパート経営は長い目で大きな節税効果を生んでくれます。

詳細は以下の記事で解説しています。

2-2. 所得税、住民税

アパート経営が「課税計算上は赤字」という状態になった時は、給与所得などの他の所得に課税される「所得税・住民税」を減らせる場合があります。

アパート経営では、減価償却費を経費として計上できます。
減価償却費は、実際の現金のやり取りはなくても帳簿上で費用として計上できる性質があり、家賃収入から管理費や修繕費などの経費及び減価償却費を差し引くと、手元のキャッシュフロー上は利益が出ているけれども課税計算上は赤字になることがあります。

この状態なら、資産を増やしながら、所得税・住民税を節税できます。

減価償却費について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

アパート経営の経費については、以下の記事で詳しく解説しています。

HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、アパート経営での相続税節税に関するプラン作りもお手伝いしています。
アパート経営での節税に興味のある方は、お気軽にお問い合せください。

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