アパート経営で知っておきたい、木造アパート耐用年数と建物の寿命について紹介した記事です。耐用年数を過ぎたときの対処法やリフォームや建て替えなどを含めた方法について解説しています。

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更新日
2024.09.05
カテゴリ
アパート経営

木造アパートの耐用年数と建物の寿命は?耐用年数を過ぎたときの対応策を解説

木造アパートの耐用年数と建物の寿命は?耐用年数を過ぎたときの対応策を解説

長期で取り組んでいく木造アパート経営では、アパートの耐用年数への理解が欠かせません。木造アパートの耐用年数は「22年」となりますが、適切な修繕やメンテナンスを行うことで実際の寿命はもっと長くなります。

この記事では、法定耐用年数と寿命の違いや、耐用年数を過ぎたときに出てくるリスク、対応策についてご紹介します。

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序 1分で分かる!記事要約

木造アパートの耐用年数と寿命

木造アパートの耐用年数と寿命は異なります。

  • 法定耐用年数:22年
  • 建物の寿命:50~60年

法定耐用年数を過ぎたからといって、すぐにアパートが使えなくなるわけではありません。実際には、耐用年数を過ぎても問題なく経営を続けているアパートもあります。

木造アパートの耐用年数が過ぎたら出てくるリスク

建物の寿命は22年より長くなるのが一般的ですが、耐用年数を過ぎるとさまざまなリスクが出てきます。主なリスクは以下のとおりです。

  • 減価償却が終わり税金が高くなる
  • 修繕費用がかさむ
  • 融資が受けにくくなる
  • 売却しにくくなる
  • 老朽化による事故など

木造アパートの耐用年数を過ぎたらどうする?

木造アパートの耐用年数を過ぎてからとるべき方法はいくつかあります。

  • 収益を上げられるよう工夫して経営を続ける
  • アパートを売却する
  • 更地にして別の土地活用を検討する
  • アパートを建て替える

大切なのは、耐用年数が近づいてきたらどの方法をとるべきかを考え、方向性を探っておくことです。

1. 木造アパートの耐用年数と建物寿命は?

建物の法定耐用年数と実際の建物寿命は異なります。まずは、耐用年数と建物寿命について詳しくご紹介します。

1-1. 木造アパートの耐用年数は「22年」

アパートの法定耐用年数は、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの構造によって異なります。それぞれの構造の法定耐用年数は以下の表のとおりですが、木造アパートの場合は「22年」となります。

【表 構造別の耐用年数一覧】
構造 耐用年数
木造 22年
木造モルタル 20年
鉄骨造(3mm以下) 19年
鉄骨造(3mm超4mm以下) 27年
鉄骨造(4mm超) 34年
鉄筋コンクリート造 47年
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年

耐用年数については以下の記事もご確認ください。

1-2. 木造アパートの建物寿命は?

木造アパートの法定耐用年数は「22年」ですが、実際には、築30年や50年の建物は少なくありません。一般的な木造アパートの建物寿命は「50~60年」となります。

木造に限らず、適切な修繕やメンテナンスを行いながら建物を使用することで、法定耐用年数よりも寿命が長くなることがほとんどです。

1-3. 耐用年数を超えても経営は可能

法定耐用年数を超えたアパートがすぐに使えなくなるわけではありません。耐用年数を超えても問題なく経営を続けているアパートの例は数多くあります。

ただし、建物の寿命がまだ残っているからといって、そのまま使い続けられるわけではありません。22年を過ぎると木造アパートは外観も内装も古びてきますので、トラブルなく経営するにはリフォームや修繕は必要不可欠となります。

リフォームや修繕に費用もかかるうえに、修繕を行ってもなかなか空室が埋まらず収支が悪化してしまう例もあります。

空室が増えてしまっている場合、思い切って建て替える、というのも手段のひとつです。
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2. 木造アパートの耐用年数が過ぎたら出てくるリスク

木造アパートの耐用年数を過ぎて経営を続けるには、リスクがあります。大切なのは、リスクを踏まえて対策を取りながら経営をすることです。

2-1. 減価償却が終わり税金が高くなる

法定耐用年数を超えることで生まれる大きなリスクが、減価償却が終わり、それによって税金が高くなることです。

法定耐用年数内の建物は、減価償却費を経費として計上できます。つまり、帳簿上では経費が増えて利益が減るため、所得税の節税効果が期待できるのです。減価償却が終わるとこの節税効果がなくなってしまいます。

そのため、法定耐用年数が近づいてくると、税額の変化を踏まえて対策を考えておくことが必要となります。

2-2. 修繕費用がかさむ

耐用年数と建物の寿命は異なりますが、築年数に応じて修繕費も増えていくため注意が必要です。

耐用年数を過ぎるころには、建物の経年劣化で建物の外側にも内側にも修繕箇所が増えてきます。屋根や外壁、内装、設備の入れ替えなど、初期にはなかったトラブルも増えます。古さが目立ってくると空室リスクも高くなり、家賃も下げざるを得なくなります。

家賃収入が下がる時期と修繕費用がかさむ時期が重なるため、長い目で収支計画を考えていなかった場合、収支のバランスが大きく悪化するリスクがあります。

2-3. 融資が受けにくくなる

法定耐用年数は、アパートローンと密接に関係しています。アパートローンは法定耐用年数内の建物でないと組めない金融機関が多いため、木造アパートの場合は築年数が22年を超えた場合、新たに融資を受けるのが難しくなります。

例えばリフォームのために100万程度のローンを組むことも難しくなるため、自己資金がなければリフォームや修繕を先延ばしにしてしまい、老朽化が進んでしまうケースもあります。

そうならないためには、事前にリフォームも考慮した資金計画を行い、修繕やメンテナンスにあてる費用を積み立てておく必要があります。

2-4. 売却しにくくなる

法定耐用年数を過ぎた木造アパートは売却しにくくなります。耐用年数を過ぎたアパートでは融資を受けにくいことはすでにご紹介しましたが、買い手の購入の際も同様となるため資金力のある買い手しか購入ができず、非常に限られるからです。

条件の良い土地で、十分な収益を上げている状態であれば買い手がつくこともありますが、一般的には売却が成立するまで時間がかかることがほとんどですので注意が必要です。

2-5. 老朽化による事故など

経年劣化を重ねたアパートは屋根や外壁も傷んでいることが多く、トラブルが起きやすい状態です。建物のあちこちに雨水が染み込んでしまえば建物の傷みは進行し、雨漏りなどで入居者にも影響を与えてしまいます。

また、老朽化した建物に台風や強風、地震などが重なれば、屋根材の落下など想定外の事故が起こってしまうリスクもあります。

3. 木造アパートの耐用年数が過ぎたときの対処法

木造アパートの耐用年数が近づいてくると、その後どのように対処するか考えておく必要が出てきます。以下にアパート経営を継続するパターン、建て替えるパターンなど4つの方法を紹介しますので、計画の見直しにお役立てください。

3-1. 収益を上げられるよう工夫して経営を続ける

まずは、修繕やメンテナンスを行いながら経営を続ける方法です。この場合には、適切な修繕で躯体を健全に保つのは大前提として、入居者の住み心地にも配慮しながらリフォームを行っていく必要があります。

例えば、水回りの機能や清潔さが保たれていないと入居を避ける理由になりやすいため、リフォームには費用をかける必要があるでしょう。古さが出てきたら、ある程度のDIY可の物件にするなど付加価値を工夫して入居者を募集するのも一つの方法です。

3-2. アパートを売却する

2つ目は、アパート経営を続けながら売却する方法です。法定耐用年数を過ぎたアパートは融資を受けにくいため買い手は限られますが、売却できないわけではありません。

土地の値段のみで売却価格を設定し、買い手が建物の建て替え分のみ融資を受けられるような状態で売り出すことも可能です。買い手によっては、すぐに建て替えないならそれまでの間に得られる家賃収入をメリットと感じる場合もあるでしょう。

オーナーにとって、建て替えと比較するとすぐにまとまった代金が手に入るのはメリットですが、その一方で、土地を手放すことになるためその後土地活用が不可能になることはデメリットです。

3-3. 更地にして別の土地活用を検討する

木造アパート経営の収支の状況やエリアのニーズを考えたうえで、別の土地活用を検討することも方法の一つです。

木造アパートの法定耐用年数は22年です。つまり、耐用年数を迎えるころには建築時とは周辺環境が変わっていることも考えられます。20年以上経ち、賃貸ニーズが下がっていると感じる際には、賃貸アパート以外の方法を考えてみてもよいでしょう。

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3-4. アパートを建て替える

最後にご紹介するのは、アパートを建て替える方法です。アパートを建て替えると空室リスクや家賃収入の低下、修繕費の増加、節税効果の減少といった古いアパートに共通するデメリットが一気に解決します。

費用はかかりますが、アパートの建て替えであれば金融機関からあらたに融資を受けることも可能です。

建て替えを検討するなら、空室率、収支バランス、家屋の状態、相続などのタイミングを考慮しつつ判断するのがよいでしょう。建て替えのタイミングについては、以下の記事もご確認ください。

法定耐用年数の22年が近い、もしくは過ぎている場合には、建て替えのプランを請求し、将来的な収支予想や資金計画についての見通しを現在の経営と比較してみるのもよいでしょう。プラン比較には「HOME4U オーナーズ」をご活用ください。

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4. 木造アパートの寿命を延ばすコツ

木造アパートをこれから建てる、もしくはすでに経営していて年月が浅いなら、寿命を延ばせるよう長い目で考えておくことが大切です。

寿命の長い、よく管理された物件であれば、そのまま長く経営を続ける場合でも、売却を考える場合でも対処がしやすくなるからです。

4-1. 土地は慎重に選ぶ

まずは、土地を慎重に選ぶことです。法定耐用年数の22年を過ぎても健全にアパート経営を続けるには、賃貸ニーズのある土地で適切な経営をしていることが必要です。現在の賃貸需要が一時的なものではないか、20年後はどうかといった視点での確認が必要です。

また、建物の寿命は、土地の地盤や災害リスクも影響します。長い期間となるアパート経営では、建物の沈下や家の傾きなどのリスクは極力取り除いておきたいものです。

4-2. 修繕とメンテナンスを計画的に行う

長期的な修繕計画を立ててメンテナンスを行うと、建物の劣化を抑えながら経営でき、長い目で見ると修繕にかかる費用を減らすことができます。木造アパートの場合は定期的な点検や防蟻処理など、シロアリ対策も欠かせません。これらを怠りシロアリの発見が遅れてしまうと、大規模な修繕が必要になるケースもあります。

建物の状態がよく保たれていると、空室リスクの低減にも役立つでしょう。

また、建物が良い状態で保たれ、十分な収益が出せていれば、現金一括で購入できる買い手も見つかりやすくなります。

4-3. サポート力のある建築会社を選ぶ

木造アパートを建築し、健全に経営するには、サポート力のあるハウスメーカーや建築会社を選ぶことが大切です。

ハウスメーカーによっては管理会社をグループ内に持っており、建てたあとのサポートまで充実しています。サポート力のある会社なら、オーナーが自力で気づきにくい設備の交換時期や修繕部分について適切に確認し、定期的なメンテナンスまで請け負ってくれることも多いです。

そのほか、減価償却を利用した節税や、減価償却年数を超えた後の戦略も視野に入れた安定したアパート経営をするなら、信頼できるプロのサポートは欠かせません。価格の安さだけでなく、上記のようなサポート体制についても確認しておくのがおすすめです。

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4. 木造アパート経営の成功にはパートナー選びが重要

木造アパートの耐用年数は22年です。この前後にはさまざまなリスクが出てくるため、オーナーは適切な対応をしていく必要があります。

さまざまな判断をオーナーが単独で行うのは難しいですが、ハウスメーカーや不動産会社、建築会社などプロに相談しながらプランを比較することで、土地に合った最適な方法が見つかりやすくなります。また、アパートに限らず、他の土地活用方法を提案してもらい、考えるのも一つの方法です。

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