【基礎から解説】アパートの減価償却終了後の「建て替え・リノベーション」について

経営するアパートの耐用年数が過ぎて減価償却が終わった際は、建て替えやリノベーションによって資産価値を向上させて継続運用するのが一般的です。
こちらの記事では、減価償却終了後の変化と、その対策としての「建て替えとリノベーション」の基本を網羅的且つ分かり易く解説します。
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「アパートはいくらで建て替えられるの?」「建て替えと修繕の将来的な収益の差を知りたい」という方はご活用ください。
アパートの減価償却が終わったら手残りは減少する(キャッシュフローが悪化する)
減価償却費を費用として計上できなくなり、その分、税金が増えてしまいます。
また、減価償却が終わった資産は、取得価格の5%を限度として固定資産税の課税対象になります。
建て替えやリノベーションの費用相場
木造が最も安く、坪当たり解体費が4〜5万円、建て替え費が55.8万円、リノベーション費77〜100万円程度となっています。
アパートを建て替え・リノベーションすると期待できる効果
アパートのリノベーション業者・会社を選ぶポイントは下記の6つです。
- 空き室率の改善
- 「減価償却」の復活
- 相続税対策
減価償却が終わったアパートを「建て替え」するか「リノベーション」するかで迷ったら
大幅な改善が必要な場合は建て替えを選択します。
以下の基準から検討をすると良いでしょう。
- 基礎部分の劣化具合はどうか
- どの程度運用する予定か
- リフォームの程度はどのくらいか
- 空室率の改善につながるか
建て替え・リノベーション後の減価償却の取扱い
建て替え・リノベーション後の減価償却は以下の通りです。
- 建て替えの場合
建て替え後は再度、減価償却を計上することができます。
- リノベーションの場合
既存物件の修繕が減価償却対象かどうなるかは、「資本的支出」か「修繕費」で変わります。
※資本的支出:アパートの使用可能期間の延長、価値向上のための費用
※修繕費:現状維持・原状回復のための費用
建て替え・リノベーションを安心して任せられるハウスメーカー 【3選】
建て替え・リノベーションを安心して任せられるハウスメーカーを、3社は以下の通りです。
- パナソニックホームズ
- ミサワホーム
- 三井ホーム
まとめ
減価償却が終了したアパートはそのまま運営することができます。
しかし、減価償却がなくなることで納税額が増え、建物が古くなることで、空室率の増加や、家賃の引き下げなどが発生する可能性があります。
上記の懸念を解消できるのが「建て替えやリノベーション」です。上手に活用することで、減価償却を再度実施できたり、長い目で見ればキャッシュフローを安定させることも可能です。
減価償却終了後の「建て替え・リノベーション」
詳しい解説は以下
目次
1.アパートの減価償却が終わったら手残りは減少する
減価償却が可能な期間(耐用年数)を経過すると、オーナーの手元に残るお金は減少します。(キャッシュフローが悪化する)

端的に言うと、減価償却がある状態で借り入れ返済額がゼロの場合「税引き後の利益+減価償却」がオーナーの手元に残っていましたが、減価償却期間の終了により減価償却費を費用計上できなくなり、結果その分アパート経営の収入に対する税金が増えるので、手元に残る金額が減るという理屈です。
また、減価償却が終わった資産は帳簿上「備忘価格」であっても、取得価格の5%を限度として固定資産税の課税対象になります。
減価償却が終了した後も固定資産税はかかってしまうと認識しておきましょう。
2.減価償却を終えたアパートの建て替え・リノベーションにかかる費用とその効果
建て替えやリノベーションでかかる費用は大枠で下記の通りです。
構造 | 解体費 | 建て替え費 | リノベーション費 |
---|---|---|---|
木造 | 4〜5万円 / 坪 | 55.8万円 / 坪 | 77〜100万円 / 坪 |
鉄骨増 | 6〜7万円 / 坪 | 75.7万円 / 坪 | 80〜120万円 / 坪 |
鉄筋コンクリート造 | 7〜8万円 / 坪 | 74.8万円 / 坪 | 90〜120万円 / 坪 |
建て替えやリノベーションの費用相場は木造が最も安く、坪当たり解体費が4〜5万円、建て替え費が55.8万円、リノベーション費77〜100万円程度となっています。
また減価償却が終了したアパートを建て替え・リノベーションすると、以下の効果が期待できる可能性があります。
- 空き室率の改善
- 「減価償却」の復活
- 相続税対策
以下で解説します
2-1.空き室率の改善
ニーズやトレンドに合わせ建物の外観・内装、設備に変える事で空き室率が改善し、アパート経営の収支が向上する可能性があります。
ただ、費用もかかるので、市場調査やリスクを十分鑑みて行う必要があります。
詳しくはこちら
・【徹底解説】効果は?コスパは?空き室改善のためのリノベーション
・【基礎から解説】老朽化アパート建て替え大百科
2-2.減価償却の復活
建て替えは減価償却の対象となり、リノベーションは「資本的支出」とみなされる場合は減価償却の対象となります。
リノベーションの場合は条件があるので注意してください。
2-3.相続税対策
建て替え・リノベーション共に相続税節税に効果がありますが、建て替えが非常に効果的であるのに対して、リノベーションは限定的な効果である事が多いです。
詳しくはこちら
・【徹底解説】相続した実家・土地の活用法「アパート編」
・【基礎から解説】相続税対策としてのリノベーション・リフォームの基礎知識
建て替え・リノベーションの費用に関して詳しくはこちら
・【徹底解説】古い(築古)マンションのリノベーション費用・相場と工事事例|
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・【基礎から解説】アパートリノベーション大百科 費用・工程・工期も解説
減価償却終了後の「建て替え・リノベーション」
3.減価償却が終わったアパートを「建て替え」するか「リノベーション」するかで迷ったら
減価償却が終わったアパートを建て替えるか、リノベーションするか迷った際は
- 基礎部分の劣化具合はどうか
- どの程度運用する予定か
- リフォームの程度はどのくらいか
- 空室率の改善につながるか
などの観点から考えるようにしましょう。
建て替えとリノベーションの大きな違いは「基礎部分を残すか、残さないか」で判断します。
したがって、基礎部分からの大きな修繕が必要な場合には、基本的には建て替えを選択する必要があります。
4.建て替え・リノベーション後の減価償却の取扱い
結論、建て替えは減価償却の対象となり、リノベーションは「資本的支出」とみなされる場合は減価償却の対象となります。
- 建て替えの場合
- リノベーションの場合
それぞれ詳しく解説をします。
4-1.建て替えの場合
基本的に、建て替え後は再度、減価償却を計上することができます。
4-2.リノベーションの場合
既存物件の修繕が減価償却対象かどうかは、「資本的支出」か「修繕費」で変わります。
- 資本的支出:アパートの使用可能期間の延長、価値向上のための費用
- 修繕費:現状維持・原状回復のための費用
一般的に、リノベーションは資本的支出、リフォームは修繕費とされています。
しかし、会計上は資本的支出と修繕費は明確に区別されておらず、判断が難しいケースがあります。
会計処理方法 | 修繕内容 | |
---|---|---|
資本的支出 | 減価償却として耐用年数期間計上 | ・20万円以上かかるもの ・間取り変更や設備の導入で資産価値を高めるもの ・構造躯体の強化を目的としたもの |
修繕費 | 修繕費として一括計上 | ・20万円未満のもの ・原状復帰を目的としたもの ・定期的なもの |
例えば、アパートの内装を再塗装する場合、傷や汚れを目立たせないようにする目的であれば維持管理や原状回復といえますが、塗装材に断熱機能や調湿機能がある場合は、価値の向上につながります。
どちらに該当するかは専門の業者に相談してみましょう。
5.建て替え・リノベーションする会社選びのポイント
信頼できる建築会社およびハウスメーカーを選ぶ際は、下記4つのポイントを確認しましょう。
- 「経営サポートプラン」の有無
- ハウスメーカーの規模
- 評判・口コミ
- 問い合わせへの対応
特に初めての建て替え・リノベーションの場合は、経営サポートプランがあるかどうかは重要なポイントです。
周辺の家賃相場や人口動態などを鑑み、「どの程度リフォームすれば空室率を減らすことができるのか」「建て替えやリノベーション費用は、どのくらいの期間で回収可能か」など、具体的な数字に落とし込んだ経営プランを提示してくれる会社を選びましょう。
また、依頼するハウスメーカーの規模もポイントです。
中小のハウスメーカーも大手と同じく、細やかなサービスが提供可能であることを強みとしています。しかし、大事な資産形成を念頭に置くと、実績やノウハウの蓄積がある大手ハウスメーカーに相談する方が無難でしょう。
アパート経営は20年30年と長い時間をかけて運用していきます。その中で、入居者間のトラブルや空室が目立つなどの不安に見舞われるかもしれません。そういった場合でも、アパート経営者の伴走者として丁寧に対応する体制が整っているメーカーであることもポイントです。
減価償却終了後の「建て替え・リノベーション」
6.建て替え・リノベーションを安心して任せられるハウスメーカー 【3選】
建て替え・リノベーションを安心して任せられるハウスメーカーについて、ピックアップしました。
- パナソニックホームズ
- ミサワホーム
- 三井ホーム
6-1.パナソニックホームズ | 外観を刷新する建て替えなら
特徴 | ・洗練された外観を演出する耐久性の高いタイル外壁 ・9階建てまで建築できる重量鉄骨構造 |
---|---|
おすすめオプションサービス | ・一括借上げシステム ・万一の地震による建て替えを保証 |
こんな方におすすめ | ・品質にこだわりたい方 ・安心して物件を運用したい方 |
パナソニックホームズの特徴は、上質感と風合いのあるタイル外壁です。
光触媒の働きにより外観の美しさをキープすることができます。また、構造も頑丈であり、純ラーメン構造を独自の技術力により進化させた重量鉄骨ラーメン構造(NS構法)を採用しています。
パナソニックホームズは震災で全壊または半壊した場合、建て替えまたは補修を担う「地震あんしん保証」があります。
ハウスメーカー初のサービスであり、保証期間はアパートの引き渡しから10年です。
また、保証限度額は上限5,000万円となっています。
パナソニックホームズは、品質にこだわりたい方や安心して物件を運用したい方におすすめのハウスメーカーです。
6-2.ミサワホーム | リノベーションを幅広く検討したいなら
特徴 | ・実績のあるデザイン力 ・リノベーションの幅が多岐に渡る ・一括借上管理システム |
---|---|
おすすめオプションサービス | ・まるまるリフォーム |
こんな方におすすめ | ・デザイン性のある物件にしたい方 ・なるべく支払い等を簡略化したい方 |
ミサワホームは「リフォームシステム」でリフォーム業界初のグッドデザイン賞に選ばれました。
その後、住宅業界で唯一、33年連続で受賞し続けています。デザインにおける実績は随一です。
また、「耐震」「耐久」「省エネ・節電」「バリアフリー」などリノベーションの幅が広く、オーナーの要望に応じた提案を受けることができます。
リノベーション物件を一括借上げして、管理を代行してくれる「一括借上管理システム」も空室や家賃滞納に関わらず、毎月一定額支払われるので安心できるシステムです。
おすすめのオプションサービスはリピート率75%を誇る「まるまるリフォーム」。施工する部屋や工事内容によって決まった価格が設定された定額サービスで、追加の費用が発生しにくく安心できます。
ミサワホームは、デザイン性のある物件にしたい方はもちろんのこと、工事費や家賃請求などの支払い等をなるべく簡略化したい方におすすめのハウスメーカーです。
6-3.三井ホーム | 環境に配慮した建て替えを行いたいなら
特徴 | ・木造建築による脱炭素社会への貢献 ・高い建物性能を活かして長期償却への対応が可能 |
---|---|
おすすめオプションサービス | ・らくらくサポート |
こんな方におすすめ | ・環境に優しい物件にしたい方 ・アパート運用における入居率に不安がある方 |
三井ホームは、脱炭素社会への貢献のため、木造建築を積極的に取り入れています。二酸化炭素吸収量の少ない高齢木を伐採して活用し、代わりに植林をして若い木が多くの二酸化炭素を吸収するという、木のライフサイクルを実現しています。
また、木造マンションと言うと法定耐用年数が気になりますが、高い建物性能を活かして、法定耐用年数の22年よりも長期での減価償却運用も可能となっています。
具体的には、三井ホームが誇る木造マンションのオリジナルブランド「MOCXION」があります。
原状回復や設備保証をしてくれる「らくらくサポート」は、おすすめのオプションサービスになります。
月々の定額保証料を支払うことで、退去時の工事や設備の故障に対し備えることができます。
三井ホームは、環境に優しい物件にしたい方はもちろんのこと、高い入居率の実績があることから入居率に不安がある方にもおすすめのハウスメーカーです。
減価償却終了後の「建て替え・リノベーション」
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