マンション経営は土地活用方法として人気ですが、「もし失敗してしまったら」と考えて不安になってしまう方は多いかもしれません。さまざまなメリットがある一方で、失敗すると借金ができてしまう、入居者とのトラブルでストレスを抱えてしまう、ということにもなりかねません。
ただ、起こりがちな失敗事例をあらかじめ知っておき、正しくリスク対策を取ることで成功の確率はぐっとあげられます。この記事では失敗事例と回避策をあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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マンション経営で起こりがちな8つの失敗事例と回避策
マンション経営は長期にわたって安定した収入を生んでくれると人気の土地活用方法ですが、リスクもあります。
マンション経営ではこれらのリスクと失敗事例を踏まえ、回避できるように考えることが重要です。起こりがちな失敗事例8つは以下のとおりです。
- 入居者の募集方法による失敗
- 管理が行き届かないことによる失敗
- 売りたくても売れないことによる失敗
- 周辺環境の変化による失敗
- リサーチ不足による失敗
- ローンが高額すぎたことによる失敗
- 収支の見通しが甘いことによる失敗
- サブリース契約による失敗
詳細は「マンション経営で起こりがちな8つの失敗事例」をご確認ください。
また、失敗事例を踏まえた回避策は、以下の7つです。
- リサーチは念入りに行う
- 自己資金を用意する
- 初期費用以外の費用を正しく見積もる
- 管理方式を考える
- 信頼できる建築会社・管理会社を選ぶ
- 出口戦略(売却)まで考える
回避策の詳しい内容については「失敗事例から考えるリスク回避策」をご確認ください。
失敗しにくいマンション経営とは
失敗事例や回避策を踏まえ、失敗しにくいマンション経営に必要なものは以下の3点です。
- 所有している土地を活用する
- 物件選び・マンション建築は慎重に行う
- 信頼できるパートナーを探す
詳しくは「失敗しにくいマンション経営とは」をご確認ください。
1.マンション経営で起こりがちな8つの失敗事例
マンション経営のリスクとして代表的なのは「空室が多い」「収支がよくない」「管理方法やお金に関する知識不足」などです。
マンション経営においては、これらがどんな失敗につながるかを正しく知り、回避策について検討することが大切です。ここでは、代表的な8つの失敗事例をご紹介します。
1-1.入居者の募集方法による失敗
マンション経営における失敗で代表的なものが、マンションを建築して募集しても空室が埋まらないこと、もしくは退去が発生したあとに空室が続いてしまうことです。マンション経営の収入のメインは家賃収入なので、入居者が見つからなければすぐにマイナスになってしまいます。
どのようなマンションでも、賃貸物件である限り退去はありますので、そのあとに速やかに客付けができるかどうかが重要です。物件に問題がないのに入居が決まらない場合、募集方法で失敗してしまっているケースがあります。
例えば、不動産会社の自社サイトにマンションの情報を掲載しているだけ、マンションに入居者募集の看板を出しているだけの場合などです。また、募集内容に関しても、間取りだけでなく現地の写真など詳しい情報量がなければ内見には結び付きにくくなってしまいます。
1-2.管理が行き届かないことによる失敗
入居者管理が行き届かないことによる失敗も、マンション経営では多いものです。代表的なトラブルは以下のものが挙げられます。
- 騒音やゴミ出しなどのマナー
- 共用部の使用マナー
- 家賃滞納や夜逃げ
- 居室の修繕などによるトラブル
- 入居者の孤独死
入居者間、近隣住民との間、入居者とオーナーとの間のトラブルは、退去者が出たり、マンションの評判が下がって入居者が入りにくくなったりというリスクを生み、失敗につながってしまいます。
1-3.売りたくても売れないことによる失敗
マンションの経営では、家賃収入だけではなく、物件を売却したときの利益も考えている方は多いかもしれません。また、マンション経営に着手したものの、思うように利益が上がらず手放すことを考えることもあるでしょう。
ただ、築10年程度のマンションであればまだ売却しやすいですが、築30年を超え大規模修繕が必要なマンションや、法定耐用年数を超えたマンションは売却しにくく、所有したまま赤字が続いてしまうこともあります。
特に、売却してもローンの残債が残ってしまう「オーバーローン」の状態になると、最終的にマンションは手放しローンは残るという状態になってしまいます。
1-4.周辺環境の変化による失敗
大学の近くや企業の研究所、事業所が近くにあるエリアでは、そのニーズを想定した物件づくりをすることが少なくありません。学生向け、単身者向けの間取りづくりをすると、大学から学生向けに紹介してもらえたり、企業の寮として借り上げてもらえたりすることもあるでしょう。
安定した需要は経営にプラスになる一方で、一つの需要に頼った経営はその環境が変化すると一転して失敗に陥ってしまうリスクがあります。例えば企業や大学には移転する可能性があり、大型の商業施設は撤退してしまう可能性があります。場合によってはそのエリア全体の価値が下がってしまうこともあります。
ターゲットを絞るのは悪いことではなりませんが、周辺環境の変化や社会動向、エリアの変わりゆくニーズを把握することは欠かせません。
1-5.リサーチ不足による失敗
マンション経営を成功させるうえで、地域のニーズをリサーチすることは欠かせません。
一般的に駅から遠い立地はマンション経営において難しいものですが、ファミリー向けには一定の需要が見込める場合もあります。また、車社会とされるエリアで駐車場がなければ、入居者は入りにくいでしょう。このように間取りだけでなく、ターゲットとなる層によって求められる設備も変わってきます。
コストカットを優先しすぎても、高級すぎても失敗のもととなってしまうケースがあります。賃貸需要のあるエリアでも競合物件が多すぎれば差別化を考えることが必要になりますので、その立地条件のリサーチを怠ることは、失敗に直結してしまいます。
1-6.ローンが高額すぎたことによる失敗
土地活用の中でも、マンション建築は高額な初期費用を必要とします。「家賃収入で返済できるから」「相続税対策だから」などの理由で高額なローンを組んでしまうケースもありますが、高額すぎるローンはマンション経営の失敗にもつながってしまいますので注意が必要です。
マンション経営では、立て続けに空室が出てしまった、思わぬ修繕が必要になってしまった、などで突発的な支出が発生することは少なくありません。そんなとき、自己資金比率が高く余裕のある返済計画であればさまざまなリスクを吸収できますが、ローン返済がキャッシュフローを圧迫していれば、すぐにリスクに対応できなくなってしまいます。
1-7.収支の見通しが甘いことによる失敗
マンション経営の利回りは、表面利回りで10%、実質利回りで5%程度を目安にすると良いとされています。ただし、ただ利回りの数字を確認するだけではなく、必要なコストが見積もられているか、家賃収入の見通しは甘くないか、その内容を精査することが必要です。
実際には、見積もられている修繕積立金だけではマンションとしての居住性や資産価値を維持できないケースは多くあります。また、家賃設定は近隣の相場に合わせて設定する、築年数にしたがって下落していく設定にしなくてはなりません。また、ある程度の空室のリスクを考慮することも必要です。
これらを見込んだうえで収支の見通しをしておかなくては、あとから資金繰りに苦労し、マンション経営が失敗になってしまう可能性があります。
1-8.サブリース契約による失敗
サブリース契約による失敗も、マンション経営の失敗ではよくあるものです。マンションを建築した後にオーナーが選ぶ管理方法としては、主に管理委託、サブリースの2つがあります。
- 管理委託:オーナーとマンションの入居者が直接賃貸借契約を締結し、管理のみ管理会社に委託する管理方式
- サブリース:サブリース会社がマンションの入居者と転貸借契約を締結し、オーナーはサブリース会社にマンション一棟を賃貸する管理方式
サブリースのメリットとしてよく言われるのが、満室であるかどうかにかかわらず、オーナーは毎月一定額の家賃保証がされていることです。ただし、よく誤解されやすいのが、この家賃保証は将来にわたって保証されているわけではないことです。
定期的に家賃保証は見直しが行われ、その多くが減額請求となります。そのため、当初保証されていた金額をもとに借入金の返済計画を立てていると、減額となった場合に返済計画が難しくなってしまうことがあります。
2.失敗事例から考えるリスク回避策
ここまでよく起こりがちな失敗事例をご紹介しましたが、マンション経営は失敗事例をもとにリスク対策をしておけば成功に近づきやすくなります。ここでは、リスク回避策をご紹介します。
2-1.リサーチは念入りに行う
マンション経営における空室リスクを減らし、安定した経営を実現するには、エリアの需要に合った物件を供給するのが一番の近道です。そのためには、何よりもリサーチが欠かせません。以下は、一般的に確認しておくべきポイントです。
- 地域のニーズ、ターゲットの設定
- ターゲットの好む設備は何か
- 競合物件の傾向
- 供給過多なエリアではないか
- 周辺エリアの家賃の設定
- 周辺に商業施設や大手企業、大学などはあるか
マンション経営は長期的な視点で取り組むものです。そのため、現状の需要や環境だけではなく、将来的な需要がどのように移り変わっていくか予測しておくことも大切です。
具体的には大型施設の移転計画、自治体の都市計画の情報にアンテナをはっておくことがリスク回避につながります。
2-2.自己資金を用意する
マンション経営の失敗を回避できる方法の一つが、自己資金を十分に用意することです。
思わぬ空室が出て収入が減ってしまっても、予期しない出費が必要となっても、自己資金比率が高く、余裕のある返済計画が組まれていれば多少のトラブルは吸収することができます。安全に経営するための自己資金の割合は「3割以上」とされていますので、目安として考えましょう。
また、マンション経営で最も避けたいのはオーバーローンです。オーバーローンとは、ローンの残債がマンションを売却したときの価格を上回っていて、売却してもローンを完済できない状態のことです。そうなるといくら赤字でも簡単に撤退できず、撤退できても負債を抱えてしまいます。
そうならないためにも、十分な自己資金を用意し、借入金の割合を下げるようにしましょう。
2-3.初期費用以外の費用を正しく見積もる
マンション経営には初期費用のほか、維持管理の費用も必要です。収支を正しく把握し、適切な計画を立てるためには、マンションの建築費以外にどんな出費があるのか事前に把握しておく必要があります。
例えば、マンション経営の中では固定資産税・所得税などさまざまな税金がかかってきます。また、見落とされがちな出費としては、退去者が出たときの原状回復費が挙げられます。退去者の敷金から相殺できるケースもありますが、退去者の過失がなく経年劣化の部分はオーナーの負担となります。
物件の管理費用として管理会社に支払う以外にもこのような出費がありますので、あらかじめ把握し、収支計画でも見積もっておくことが必要です。
詳しい建築費や維持費用を知りたい方は、「HOME4U オーナーズ」から無料のプラン請求をしてみることをおすすめします。最大10社から建築費や予想収益などが含まれた提案を受けることができます。
2-4.長期的な収支計画を立てる
マンション経営の資金計画や収支計画は、マンション建築会社からプランを提案されたときに、あわせて受け取ることができます。マンション経営で失敗しないためには、経営を始める前に長期的な計画を立てることがとても重要です。
例えば、短期的な視点では、新築マンションは安定した需要を見込むことができます。ただし、長期的に考えると建物の劣化や物件の競争力の低下によって、空室の発生や家賃の下落は避けられません。
また、10年~20年に一度の大規模修繕を行うには、毎月一定額の修繕積立金を用意しておく必要があります。この積立金も、見積もっている額で十分なのか、シビアに考えて判断しましょう。
2-5.管理方式を考える
先にご紹介したように、マンション経営でオーナーの選ぶ管理方法としては、管理委託かサブリースが一般的です。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
管理方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
管理委託 | 満室時には満額の家賃を受け取れる | 空室リスクがある 建物や家賃トラブルに対応が必要 |
サブリース | 空室に関わらず一定の家賃収入 管理の手間が少ない |
保証される家賃収入額は低い |
管理委託の場合、空室リスクや家賃滞納リスクはオーナーが負いますが、満室時には満額の家賃を受け取ることができます。サブリースは空室に関わらず一定の家賃収入が受け取れますが、保証される額は満額ではありません。また、空室状況によっては保証されている家賃が減額請求されるリスクもあります。
管理方式を選ぶ際には、これらのメリットとデメリットを踏まえ、契約内容を詳細にチェックしておくことが必要とされます。
よくあるトラブル事例など、サブリースの記事でもご紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
2-6.信頼できる建築会社・管理会社を選ぶ
安定したマンション経営には、実績のある建築会社で建てるのはもちろんのこと、建てたあとの管理までを考えたうえで、パートナーとなる企業を選ぶことが必要です。
いくら良い物件が建てられても、うまく集客できずに空室が続けば家賃収入は得られません。管理会社を選ぶ際には、以下の点を意識しましょう。
- 集客力(その会社の管理物件の入居率)
- その地域のニーズに詳しいか
- 対応してくれる管理業務の内容は幅広いか
大手のハウスメーカーなどでマンション建築を行うと、そのグループ企業などで管理業務を請け負っていることが数多くあります。どこで建てるかを決める際は、管理会社の評判もあわせて確認しましょう。
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2-7.出口戦略(売却)まで考える
マンション経営が成功したか失敗したかは、最終的な収支が黒字であるかどうかで決まります。例えば家賃収入で黒字であっても、最後の売却で失敗して全体の収支が赤字になってしまっては、経営が失敗だったということになります。
そのため、マンション経営で失敗しないためにはあらかじめ出口戦略(売却)までを考えておくのがいいでしょう。
家賃収入をローンの返済にあてた結果、一時的にキャッシュフローがマイナスになることもあるかもしれません。ですが、入居者が問題なく入っていて安定的な経営ができているなら、一時の赤字は気にしなくても大丈夫です。
最終的に黒字になるタイミングは、現在までの家賃収入とマンションの売却価格を合わせた金額が、マンションの購入価格を上回っているときです。トータルの収支で判断し、タイミングを見計らって売却するのがよいでしょう。
3.失敗しにくいマンション経営とは
ここまで失敗事例とリスク回避策をご紹介しましたが、失敗しにくいマンション経営のポイントは数多くあります。
3-1.所有している土地を活用する
マンション経営は土地を持っている状態から始めると失敗しにくくなります。理由は、土地の購入が不要であればそれだけ借入金を減らすことができ、リスクを下げられるからです。相続などで土地を所有している方は、まずその土地を活用することを考えてみましょう。
単に借入金を減らせるだけでなく、建物だけに予算をかけられるため、競合物件との差別化もしやすくなります。また、ブランド力のある大手ハウスメーカーに依頼し、そのブランド力を経営に生かすのも良いでしょう。
ただし、所有している土地が必ずしもマンションに向いているとは限りません。エリアのリサーチは欠かさず行い、もし需要が見込めない土地であれば、土地を買い替えるなどの方法を考えるのも一つの方法です。
3-2.物件選び・マンション建築は慎重に行う
マンション経営では、質の高いマンションを適正な価格で建てることが高い利回りにつながります。目先の高い利回りや魅力にだけ目を取られてしまうと、後から思わぬ失敗となってしまうかもしれません。
価格が安いからといって中古が新築より良いとは限りませんが、どうしても初期費用が高くなりすぎるなら、エリアを変える、新築にこだわりすぎず選ぶことを考えてみるのも良いでしょう。
エリアを考える際は、10年後、20年後の需要も考える必要があります。地方都市で安定した賃貸需要が見込める場所もありますが、やはり都市部の方が長期にわたって賃貸需要を見込みやすくなります。
3-3.信頼できるパートナーを探す
建築会社や管理会社など、信頼できるパートナーを選ぶことはマンション経営の中でも最も重要と言っても過言ではありません。
失敗を防ぎ、成功に導くには、マンションの建築から入居者募集、物件管理までプロのサポートを得て進めていくのが必須です。オーナーの希望に寄り添い、プロとしてサポートしてくれる建築会社や管理会社なら、リスク対策しながら進めていくことができるでしょう。
信頼できるパートナーを選ぶには、まずは複数社へまとめて問い合わせをし、建築プランや経営プランを比較するのがおすすめです。
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