この記事では、RC造アパートの建築・購入を検討している方に向けて、防音性・耐震性などの評価やRC造のメリット、チェックポイントをわかりやすく解説していきます。
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RC構造とは壁や柱を中心とした主要部分が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型にコンクリートを流し込んで固めた構造のことを指します。
RC造のアパートは、主にコストや工期の面でネックがありますが、防音性や耐震性に優れています。
構造別の特徴は、以下の通りです。
構造種類 | コスト | 工期 | 防音性 | 耐震性 | 耐火性 | 耐久性 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. 木造(W造) 主要な支えが木材で建築されている構造 |
◎ | ◎ | × | 〇 | × | × |
2. 鉄骨造(S造) 建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ |
3. 鉄筋コンクリート造(RC造) 鉄筋とコンクリートで造られた構造 |
△
△
| 〇
| ◎
| 〇
| 〇
| |
主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 防音性が優れている
- 地震の被害を最小限に抑えられる
- 夏でも冬でも快適に過ごせる
- 多額な建築費用がかかる
- 強固な土地でなければ、建築費以外に追加費用が発生する
- 定期的にメンテナンスを行う必要がある
各性能についての詳細は「1.RC構造は防音性や耐火性に優れている」をご覧ください。
RC造アパートへの入居を検討する際、多くの入居予定者が下記の2点をよくチェックする様です。
- 音漏れをしているか
- 結露が発生しやすいか
詳細については、「4.RC構造アパートでチェックされるポイント」をご覧ください。
1.RC構造は防音性や耐火性に優れている
RC構造とは壁や柱を中心とした主要部分が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型にコンクリートを流し込んで固めた構造のことを指します。
鉄筋の特性によって引っ張る力に対して強くなり、コンクリートの特性によって圧縮にも強くなるため、RC構造にすればより耐久性に優れた建物にすることができます。
木造や鉄骨造と比べてコストが高い反面、防音性や耐火性に優れています。
構造ごとの性能の比較は以下のとおりです。
構造種類 | コスト | 工期 | 防音性 | 耐震性 | 耐火性 | 耐久性 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. 木造(W造) 主要な支えが木材で建築されている構造 |
◎ | ◎ | × | 〇 | × | × |
2. 鉄骨造(S造) 建物の骨組みに鉄骨を用いられる構造 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ |
3. 鉄筋コンクリート造(RC造) 鉄筋とコンクリートで造られた構造 |
△
△
| 〇
| ◎
| 〇
| 〇
| |
それぞれの性能について、以下の項目で詳しく解説します。
1-1.防音性の比較
「防音性」は木造・鉄骨造と比較して、RC構造が1番優れています。
防音性に優れている理由は、RC構造が密度の高いコンクリートの壁と床により生活音や振動が伝わりにくい作りになっていることです。
音を完全に遮断することは難しいですが、幹線道路沿いのアパートだとしても外部の音が気になりにくく、静かな生活を過ごせるでしょう。
1-2.耐震性の比較
新耐震基準の建物であれば、木造でも鉄骨造でもRC構造でも、そこまで「耐震性」で大きな差はありません。
(新耐震基準とは1981年6月1日から施行され、大地震でも崩壊しない程度の耐震性のものが該当します。)
RC構造に関しては、地震の横揺れは鉄筋、縦揺れはコンクリートで支えることができます。
そのため、木造や鉄骨造と比較して倒壊しにくい造りであるといえます。
アパート自体が重いため揺れを大きく感じることはありますが、現在では揺れを感じにくい「免震装置」や揺れを吸収する「制振装置」を設置したアパートもあり、安全性が高いアパートが増えていると言えるでしょう。
1-3.耐火性の比較
RC構造の「耐火性」はほかの構造と比べて優れています。
内部や外部からの火災の被害を防げるのは、RC構造のアパートが不燃性のコンクリートで作られているためです。
ただ、木造や鉄骨造のアパートも最近では耐火性に優れた外壁素材を採用する等しており、防火対策が進んでいます。
1-4.耐久性の比較
RC構造の「耐久性」は、ほかの構造と比べて優れているとされています。
構造別の法定耐用年数は以下のとおりです。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
鉄骨造 | 19~34年 |
RC構造 | 47年 |
RC構造では錆やすい鉄筋の周りにアルカリ性のコンクリートを密着させることで、錆びを防止しており、木造や鉄骨造よりも10~20年ほど長もちすると言われています。
ただ最近は木造でも「50年」持つものもあり、その差は技術の進歩により縮まってきています。
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2.RC構造のメリットはズバリ「防音性」
RC構造アパートにおいて最も代表的なメリットは「防音性」ですが、他にもメリットがあります。
RC構造アパートの主なメリットは以下のとおりです。
- 防音性に優れている
- 地震の被害を最小限に抑えられる
- 夏でも冬でも快適に過ごせる
2-1.防音性に優れている
RC構造は高密度のコンクリートでできているので、高音でも低音でも防音します。
音が壁を通過する際にどれだけ防音性があるか、より音が小さく届くかというレベルを表した数値のことをD値と言います。
RC造のD値はD-50です。
D-50だとどのくらいの防音性があるかというと、75dBの音(電車やギターの音)を25dB(深夜の郊外の音)くらいまで抑えることができます。
上記の理由からRC構造は、家で楽器を練習する方や小さな子供がいる方におすすめです。
2-2.地震の被害を最小限に抑えられる
RC構造は縦方向と横方向の圧に対する耐性があり、地震が起きても被害を最小限に抑えられます。
RC構造の鉄筋部分は引っ張りに強く、コンクリート部分は圧縮に強いです。
建物全体の重さを面で均等に支え、他の構造に比べてアパートにかかる負荷が抑えられます。
地震による倒壊だけでなく、コンクリートのヒビも生じにくいです。
2-3.夏でも冬でも快適に過ごせる
RC構造の建物は空調効率が高いため夏は涼しく冬は温かくなるため、快適に過ごせます。
なぜなら、RC構造であれば気密性の高さだけでなく、柱と壁が一体になっていて隙間が少なく断熱性を備えているからです。
ただしコンクリート打放しといったデザイン性の高いアパートの場合は、断熱性が低下することがあります。
一般的なRC構造であれば、断熱材を組み合わせることでエアコンの利用頻度が少なくなり、節約や省エネにもなります。
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3.RC構造のデメリットはコストがかかること
RC造アパートは耐震性や防音性に優れている反面、建築費が高いという代表的なデメリットがあります。
RC構造アパートの主なデメリットは以下のとおりです。
- 多額な建築費用がかかる
- 強固な土地でなければ、建築費以外に追加費用が発生する
- 定期的にメンテナンスを行う必要がある
以下でそれぞれについて、簡単にまとめています。
3-1.多額な建築費用がかかる
一般的にアパートで使われやすい構造の中で、RC構造は特に費用がかかります。
具体的に構造別の坪単価を、以下の表で比較してみました。
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 77万~100万円 |
鉄骨造 | 80万~120万円 |
RC造 | 90万~120万円 |
金額に差があるのは、RC構造は素材自体が木造等と比較して高価であることや、建築の際に追加費用が必要となるからです。
3-2.強固な土地でなければ、建築費以外に追加費用が発生する
RC構造は素材自体が重く、地盤が耐えられない可能性があります。
そのために強固な地盤が必要で、地盤が弱い場合は地盤改良工事をしなければなりません。
地盤が弱い場所にRCアパートを建てると、建物が傾いたり倒壊したりする可能性もあるので、その対策に追加の費用が発生するのがデメリットといえるでしょう。
3-3.定期的にメンテナンスを行う必要がある
RC構造の耐用年数は他の構造よりも長いです。
しかし劣化を抑えるためにも、定期的なメンテナンスは必要になります。
その際に建物の大きさが大きければ大きいほど、定期的なメンテナンスにも費用がかかるでしょう。
RC構造建築において、一般的に定期的なメンテナンスをするべきとされる内容は以下です。
- 壁のひび割れの補修
- 壁の欠落部分の充填
- コンクリートの外壁塗装
- 屋上箇所の防水
とくに日当たりの悪い外壁は黒ずみやコケの発生がしやすいです。
定期的なメンテナンスを実施しましょう。
4. RC造アパートへの入居を検討する人が、よくチェックするポイント
RC造アパートへの入居を検討する際、多くの入居予定者が下記の2点をよくチェックする様です。
- 音漏れをしているか
- 結露が発生しやすいか
上記ポイントへの対策は、入居者が入ったあとでも十分に気を配っておきましょう。
4-1.音漏れをしているか
RC構造はほかの構造と比べると遮音性が高いのが特徴です。
しかし、周辺環境によっては音が気になりやすくなってしまう場合もあります。
例えば大通りに面している場合には、夜間の喧騒が気になるという入居者も多いでしょう。
実際に住んでみたときに問題ないかは入居希望者の視点から説明ができるようにしておくのがおすすめです。
また周辺環境から対策が必要な場合には、下記がおすすめです。
- 大通り沿いは窓を作らない
- 防音性のある窓を設置する
- 防音タイルや防音シートを壁や天井に貼る
- 防音カーペットをひく
特に防音タイルやカーペットは、建築後にリフォームをせず手軽にできることなので、試してみるとよいでしょう。
4-2.結露が発生しやすいか
気密性の高いRC構造は、他の構造よりも結露が発生しやすいという特徴があります。
特に「内断熱」で断熱処理方法を行っていた場合、より結露が発生しやすくなるため注意が必要です。
もし入居希望者から質問を受けた場合は、対策として下記のような回答を準備しておくとよいでしょう。
- 適度な換気を行う
- 湿度は40〜60%程度を維持する
- 室温を約20℃にする
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