この記事では、古い(築古)一戸建てのリノベーションを検討している方に向けて、自分がやるべきリノベーションの内容の検討を具体的に開始できるよう、情報をまとめています。
なお、古い戸建てのリノベーション会社の選び方については、下記の記事で詳しく説明しているのでご覧ください。
築40年以上の場合はどれくらいの規模のリノベーションを行うべき?
一戸建てのリノベーションをするべき規模は築年数によっても変わります。
築年数ごとのおすすめのリノベーション規模は以下になります。
- 築20年の場合・・・キッチン・風呂・トイレ・洗面台などの水回り
- 築30年の場合・・・間取りの変更(壁の撤去・設置、ドア新設を含む)
- 築40年の場合・・・フルリノベーション
詳しくは「築40年以上ならフルリノベーションがおすすめ!」をご確認ください。
古い戸建てのリノベーションの費用相場はどれくらい?
- キッチン・風呂・トイレ・洗面台などの水回り・・・100万〜250万円
- 間取りの変更(壁の撤去・設置、ドア新設を含む)・・・150万〜500万円
- フルリノベーション・・・500万〜2500万円
詳しくは「築年数別!リノベーションの費用相場」をご確認ください。
古い戸建てのリノベーションの事例は?
この記事では、
- 【築30年の想定事例】リビングと一体化した開放感のあるキッチン
- 【築40年の想定事例】フルリノベーションで二世帯住宅化
の2つの想定事例を載せています。
詳しくは「3.古い戸建てのリノベーション想定事例2選」をご確認ください。
古い戸建てのリノベーションの費用を抑えて、成功させるためのポイントは?
古い戸建てのリノベーションの費用を抑えて、成功させるためのポイントは、
- まとめてリノベーションを行う
- 補助金や融資などを活用する
- 複数の企業に見積りを依頼する
詳しくは「4.費用を抑えてリノベーションを成功させるには?」をご確認ください。
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詳しい解説は以下
1.築40年以上の場合はフルリノベーションがおすすめ!
築年数40年以上の持ち家をなるべく長く住みたいと考えている人や築年数の古い中古戸建を買ってリフォームやリノベーションを行いたいと考えている人もいるかと思います。
老朽化や劣化した箇所を回復させる「リフォーム」に対して、「リノベーション」とは、新築時よりも高い性能の設備や構造にすることや建物に新たな付加価値をつけることをいいます。
中でも「フルリノベーション」は、住宅全体をリノベーションすることを指し、築40年以上の戸建てであれば、フルリノベーションを考えることをおすすめします。
代表的なフルリノベーションの施工は、「スケルトンリノベーション」とも言われる、梁などの構造体以外を全て取り除き、間取りや設備を一新させる大規模な工事となります。
ただ築40年以上の戸建ての場合、建物の基礎や柱などが劣化していることもあり、リノベーションを行えない場合もあるので注意しましょう。
建て替えと迷っている人は、こちらで建て替えとリノベーションについて詳しく解説しています。
リノベーションとリフォームの違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
2.築年数別!リノベーションの費用相場
この章では、リノベーションの種類と費用・工期の相場について、「築20年の物件」「築30年の物件」「築40年の物件」と3つのフェーズごとに解説していきます。
- 【築20年の物件】キッチン・風呂・トイレ・洗面台などの水回り
- 【築30年の物件】間取りの変更(壁の撤去・設置、ドア新設を含む)
- 【築40年の物件】フルリノベーション
2-1.【築20年の物件】キッチン・風呂・トイレ・洗面台などの水回り
費用相場:100万〜250万円
トイレ・風呂・キッチン・洗面台などの水回りは、他の部位と比較しても劣化や汚れが蓄積しやすいこともあり、早期の段階でメンテナンスが必要となる箇所です。
特にトイレや浴室は技術の進歩が著しく、次々と新しい機能が開発されるため、15〜20年経つと、新しい機能を加える必要が出てきます。
キッチンに関しても、流行の移り変わりが早く、施工当時は流行の最先端だった様式がほんの10年後には流行遅れになる箇所です。
かつて(だいたい平成初期まで)のライフスタイルにおいては、「キッチンは目立たせないようにするもの」という設計思想があったため、一戸建ての台所を仕切り壁やカウンターで囲って死角を多くするのが一般的でした。
しかしながら2000年代以降、キッチンはリビングと向かい合う対面式のキッチンが一般的になってきています。
以上の理由から、築20年を超えてくると、たとえ外壁や屋根、内装などの面はそこまで劣化が進行していないとしても、水回りに関してはリノベーションを検討することが必要となってきます。
ところで、マンションのリノベーションに比べてより多くの費用・工期がかさみがちな一戸建てのリノベーションではありますが、水回りだけのリノベーションであれば、あまり大きな差はなく、マンションの相場とほぼ同じ水準です。
2-2.【築30年の物件】間取りの変更(壁の撤去・設置、ドア新設を含む)
費用相場:150〜500万円
築30年を経た物件は昭和〜平成初期のトレンドを反映した間取りとなっており、現代のライフスタイルにはそぐわない様式になっている場合もあります。
そのため、たとえ壁などの劣化がそこまで進んでいなかったとしても、現代の生活に合わせた間取りに変えるためのリノベーションを検討すべきタイミングにあたります。
たとえば、和室を洋室に変更したり、和室の寝室用の敷布団を収納するための押し入れを洋室のクローゼットへ変更したりといったリノベーションがあげられます。
特に一戸建ての場合、マンションやアパートの高層階の部屋とは異なり、(湿気の多い土地の場合は特に)畳の部屋に虫が発生しやすかったり、和室は衛生環境が悪くなりやすいという弱点があったため、清潔性の観点からも洋室が好まれるようになってきています。
壁の撤去というとかなり大がかりな工事をイメージしてしまいがちですが、一般的には1週間から長くても2週間程度で完了します。
2-3.【築40年の物件】フルリノベーション
費用相場:500万円〜2,500万円
物件が築40年目を超えてくると、外壁や柱、屋根の老朽化も進み、場合によっては雨漏りなども生じてくるため、見た目の汚れや傷みをカバーするためだけではなく、安全面(耐震性)や機能面(断熱性など)を維持する必要が出てきます。そのため、外壁や屋根などを入れ替えるフルリノベーションが必要となってきます。
フルリノベーションを行うタイミングでは、ただ単に設備を新しくするだけでなく、「二世帯住宅」や「賃貸併用住宅」など、家のタイプ自体を大きく転換するような変更が可能になります。
例えば「賃貸併用住宅」として、同じ建物の中に2世帯分の居住スペースを作り、片方にはオーナー自身が住み、もう片方を賃貸住宅として貸し出すということもできます。
これらは一戸建てのリノベーションならではの選択肢であり、マンションをフルリノベーションする場合には実現できないことなので、これらの選択がもたらすメリットなども情報を集めた上で、フルリノベーションを計画するとよいでしょう。
3.古い戸建てのリノベーション想定事例2選
ここからは、中古の一戸建てのリノベーションを行った場合の施工の想定事例について紹介します。中古一戸建てのリノベーションによって実現できるライフスタイルについて理解を深めるのにお役立てください。
- 【築30年の想定事例】リビングと一体化した開放感のあるキッチン
- 【築40年の想定事例】フルリノベーションで二世帯住宅化
3-1.【築30年の想定事例】リビングと一体化した開放感のあるキッチン
想定費用総額:250万円
想定工期:1週間
・概要
築30年の戸建てで、キッチンとリビングの間が仕切られている間取りをキッチンがリビングに向かい合っていて、リビングを見渡しながら調理ができる形にリノベーションした場合の想定事例です。
・リノベーション前の状況
リノベーション前は壁に向かって調理するタイプのいわゆる「壁付けキッチン」で、リビングとの間は壁で仕切られていました。
・具体的なリノベーション内容
キッチンとリビングとの間の壁を撤去し、アイランドキッチンを設置。
・リノベーション後の状況
閉鎖的なキッチンから、開放的な空間となり、料理をしながらもリビングでくつろぐ家族との会話を楽しめる日常になりました。
3-2. 【築40年の想定事例】フルリノベーションで二世帯住宅化
想定費用総額:2,100万円
想定工期:3ヶ月
・概要
実家で二世帯住宅をするにあたって、築40年の一戸建てを二世帯が居住できるようトイレ・浴室などの水回りを一世帯分追加する大規模なフルリノベーションを実施。
・リノベーション前の状況
一般的な2階建て4LDKの一戸建てで、1階にトイレ、浴室、リビング、キッチン、部屋が1部屋、2階に3部屋の間取りでした。
・具体的なリノベーション内容
2階部分の一部屋をトイレ、浴室に変更し、外に階段を追加して2階にも玄関を増築しました。
・リノベーション後の状況
トイレや浴室を世帯ごとに分けることでプライベートを保ちつつ、1階のリビング・キッチンを共用することで家族で過ごす時間も確保できる間取りになりました。
また、帰りが遅くなる際は2階の玄関を使うことで、1階で寝ている親世帯に気を使うことも少なくなります。
古い一戸建てのリノベーション想定事例をもっとご覧になりたい方はこちら
・【想定事例集】「古い(築古)一戸建てをリノベーションする」事例5つ
4.費用を抑えてリノベーションを成功させるには?
- まとめてリノベーションを行う
- 補助金や融資などを活用する
- 複数の企業に見積りを依頼する
4-1.まとめてリノベーションを行う
リノベーションを複数回に分けて行うよりも、まとめて施工を行う方が費用を抑えることができます。
また、工期を短くすることで人件費などを抑えることができたり、素材や施工方法によっても安くできることがあります。
初めての人は専門企業や会社の人に相談しながら施工内容を決め、見積りを出してもらうと良いでしょう。
4-2.補助金や融資などを活用する
一戸建てのリフォーム・リノベーションで使える補助金や融資は国や自治体によって様々な種類があります。
提供元 | 事業・融資名 | 概要 |
---|---|---|
国 | ZEH化等支援事業 | 経済産業省が定めたZEH住宅の条件と、対象者となる条件を満たした場合、住宅のタイプ別に100万円までの補助 |
国 | こどもエコすまい支援事業 | 対象条件を満たし、開口部の断熱改修や、外壁・屋根・天井または床の断熱改修などのリフォーム工事を行うことで条件を満たした場合に補助が受けられる。 参照:こどもエコすまい支援事業 |
住宅金融支援機構 | リフォーム融資 | 改築、増築、耐震改修などで利用可。条件を満たすことで、融資の対象となる工事費の最大80%(10万円単位) 参考:リフォーム融資のご案内 |
ここに掲載しているのは一例ですが、ご自身がお住まいの自治体で、利用できる補助金・融資がないかを是非探してみるとよいでしょう。
4-3. 複数の会社に見積りを依頼する
複数のリノベーション会社から見積もりをとり、比較することで、会社側が適正な料金やプランで提案してくれているのかどうか、他社を判断材料にしながら判断することができます。もちろん、会社側の担当者に誠実さや親身さを感じられるかどうかも、判断のポイントとなります。
複数の会社を比較するかしないかで、リノベーションの成功度が大きく左右されると言っても過言ではありません。
古い一戸建てのリノベーションを依頼する会社の選び方については、下記の記事で詳しく解説しています。
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