この記事では建て替えと大規模リフォーム、それぞれのメリット・デメリットや、どんな人にはどちらが向いているかということに加え、迷った時の判断基準を5つ、ご紹介しています。
また、以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社のハウスメーカーがあなたの土地に合った、建て替え総額の見積もりや、建て替え後の収益計画を無料診断いたします。ぜひご利用ください。
建て替えと大規模リフォームの違いは何か?
最も大きな違いは、基礎部分を残すか、残さないかです。
検討前に知っておくべきこと
建て替えか大規模リフォームかを検討する前に知っておくべきことは以下の通りです。
- 建て替えることで元より建物の規模が小さくなる場合がある
- そもそも建て替えが出来ない場合がある
- 大規模リフォームが難しい建物もある
建て替えと大規模リフォームの比較
建て替えと大規模リフォームの費用は、このようになっています。
建て替え | 大規模リフォーム | |
---|---|---|
工事の費用相場 | 4,000万円台後半~7,000万円 (坪数による) |
1,000万円~2,500万円 (規模による) |
工事以外にかかる費用 | 解体費用 付帯建築費用20% 諸費用100~200万円 退去費用50~100万円 |
基本はなし (工事規模により仮住まいや引っ越しの費用が必要となることも) |
メリット | 空室率・家賃収入が改善 資産価値が高まる 減価償却や相続税削減が可能 |
コストが抑えられる 一定の空室対策効果がある 工期が建て替えと比較して短い |
デメリット | 費用が高額 かかる期間が長い |
修繕費は引き続き発生する 収益性の改善は限定的 新築と同様の効果は難しい |
工事期間 | 4〜8ヶ月 | 1〜5ヶ月 |
間取り | 自由 | 一部制約あり |
迷った時の判断基準
建て替えか大規模リフォームかで迷った時に、判断基準となるのは以下の5つです。
- 基礎部分の劣化具合で判断する
- あとどのくらい使用するかで判断する
- 建て替えの到来時期で判断する
- 必要なリフォームの程度で判断する
- 空室率の改善に繋がるかどうかで判断する
「建て替え?」「大規模リフォーム?」
詳しい解説は以下
目次
1.建て替えと大規模リフォームの違い
1-1.建て替えとリフォームの定義の違い
最も大きな違いは、基礎部分を残すか、残さないかです。
建て替えは、元建っていた建物を完全に取り壊して土地を更地の状態にしてから、全く新しい建物を建築すること。
一方のリフォームは建物の基礎部分(土台、柱、梁など)を残して、改築・修繕・増築を行うことを指します。
壁紙の張り替えや水回りの部品の交換のみといった部分的な工事から、基礎部分のみを残して壁、床、天井を取り払い、全てを新しく取り替える「スケルトンリフォーム」と呼ばれる大規模リフォームまで様々です。
1-2.検討前に知っておくべきこと
建て替えか大規模リフォームか、検討を始める前に知っておくべきことが主に3つあります。
- 建て替えることで元より建物の規模が小さくなる場合がある
- そもそも建て替えが出来ない場合がある
- 大規模リフォームが難しい建物もある
1-2-1.建て替えることで元より建物の規模が小さくなる場合がある
建物の建築に際して、考慮しなければならないものの一つに建ぺい率があります。
敷地の面積に対して、どのくらいの広さの建物が建てられるかを考える時の基準となる値のことで、建築基準法に則って決められています。
この建築基準法や自治体の条例には定期的に変更が加えられており、既存のアパートを建てた時点と比べて許容される建ぺい率が減少していたり、古い建物だと敷地一杯に建てられていて、元々の大きさと同じ建物が建てられない場合もあるのです。
すると部屋数も減ってしまい、今まで通りの入居者数を入れられなくなる恐れがあります。
1-2-2.そもそも建て替えが出来ない場合がある
建築基準法や都市計画法が敷かれる前に建てられたアパートには、「建物を建築する土地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務を満たしていないために再建築不可となっているものがあります。
この場合、建て替えをすることは出来ませんので、大規模リフォームでの対応を余儀なくされることとなります。
1-2-3.大規模リフォームが難しい建物もある
大規模リフォームで間取りを変更したいというニーズは多いですが、それが不可能というアパートも存在します。
壁構造で建てられたアパートで、壁や床といった板状のもので建物を支える仕組みになっていると、基本的に間取りの変更が出来ません。
2.建て替えと大規模リフォームの比較
すでにご紹介したとおり、建て替えとリフォームはそもそもの定義が異なりますが、費用やメリット・デメリットなどで違いがあります。まずは、一般的な違いを表にまとめました。
建て替え | 大規模リフォーム | |
---|---|---|
工事の費用相場 | 4,000万円台後半~7,000万円 (坪数による) |
1,000万円~2,500万円 (規模による) |
工事以外にかかる費用 | 解体費用 付帯建築費用20% 諸費用100~200万円 退去費用50~100万円 |
基本はなし (工事規模により仮住まいや引っ越しの費用が必要となることも) |
メリット | 空室率・家賃収入が改善 資産価値が高まる 減価償却や相続税削減が可能 |
コストが抑えられる 一定の空室対策効果がある 工期が建て替えと比較して短い |
デメリット | 費用が高額 かかる期間が長い |
修繕費は引き続き発生する 収益性の改善は限定的 新築と同様の効果は難しい |
工事期間 | 4〜8ヶ月 | 1〜5ヶ月 |
間取り | 自由 | 一部制約あり |
2-1.費用で比較
建て替えと大規模リフォームのそれぞれの費用目安は、以下の通りです。
建て替え | 大規模リフォーム | |
---|---|---|
工事の費用相場 | 4,000万円台後半~7,000万円 (坪数による) |
1,000万円~2,500万円(規模による) |
工事以外にかかる費用 | 解体費用 付帯建築費用20% 諸費用100~200万円 退去費用50~100万円 |
基本はなし (工事規模により仮住まいや引っ越しの費用が必要となることも) |
費用面で考えるならば、基本的に大規模リフォームであっても建て替えに比べれば安価です。
一般的に、リフォーム費用の目安は、建て替え費用の3分の1~半額くらいと言われています。
建て替えにはアパート本体の建築に関わる本体建築費用の他に、古い建物を解体するための解体費用や退去のための費用などがかかってきますので、どうしても高額になります。
けれども建て替えでないと希望が叶わないという場合もあります。
アパートが壁構造と呼ばれる、壁や床といった板状のもので建物を支える仕組みになっていると、柔軟な間取り変更をすることが出来ません。
それでも大きな改変をしたいという場合は、大規模リフォームではなく、建て替えを選択せざるを得ないことになります。
また、建物の基礎部分がこれからの使用に堪えないほど傷んでいた場合にも、建て替えを選択しなければなりません。
2-1-1.建て替え費用詳細
建て替え費用の総額は、以下の計算式で求めることが出来ます。
解体費用(古い建物を解体するための費用)
=解体費用の坪単価×延べ床面積※各階の床面積を合計した面積のこと
本体建築費用(新しくアパート本体を建築するための費用)
=新築費用の坪単価×延べ床面積
付帯建築費用(建物本体以外にかかって来る工事のための費用)
=本体工事費の20%分
諸費用(不動産取得税や印紙税など)=100~200万円
退去費用(今まで住んでいた方々に対して立ち退きをお願いするための費用)=50~100万円
建て替え費用総額=以上5つを合計
2-1-2.大規模リフォームの費用詳細
内装・外装両方に手を加える大規模リフォームの場合、費用は1000万円を超えることが一般的です。
また、とりわけよく行われるものの費用相場は、以下の通りです。
システムキッチンへの変更 | 50~100万円 |
---|---|
トイレの交換 | 10~30万円 |
3点ユニットの交換 | 50~80万円 |
壁紙の張り替え | 1㎡あたり1,000円前後 |
畳からフローリングに変更 | 1畳当たり4万円程度から |
和室から洋室 | 40~60万円 |
押し入れからクローゼットに変更 | 8~20万円 |
間取り変更 | 100~300万円 |
外装リフォーム(塗装) | 120~300万円 |
耐震補強工事 | 100~200万円 |
基礎補強工事 | 50~500万円 |
リフォームの範囲が広くなればなるほど費用は高くなります。間取りの大幅な変更や、大がかりな基礎補強工事などを併せて行えば、費用は2000万円を超える場合もあります。
リフォームの程度によってかかる工期も長くなりますので、その間に腰を落ち着けられる場所がない場合には、現在住んでいる人に対して仮住まいの費用と引っ越し費用を支払う必要があります。
これは、退去費用と同じように50~100万円が相場と考えられるでしょう。
詳しい費用が知りたい場合は「HOME4U オーナーズ」にて一括プラン請求をしてみることをおすすめします。
「建て替え?」「大規模リフォーム?」
2-2.メリット・デメリットで比較
建て替えと大規模リフォームの主なメリット・デメリットは以下の通りです。
建て替え | メリット | デメリット |
---|---|---|
|
|
|
大規模リフォーム | メリット | デメリット |
|
|
2-2-1.建て替えのメリット
「空室率・家賃収入が改善」
建て替えは、新築となるため空室率は劇的に改善する点がリフォームとの大きな違いです。
新築物件は、一般的に入居者から好まれる要件のひとつである上、建て替えでニーズを押さえたアパートになれば、以前よりも家賃を上げて設定することも可能です。
「資産価値が高まる」
築年数が経過したアパートは、売却を考える際にも、うまく買い手がつきにくくなります。建て替えをすることで建物の価値は高まり、売却時には高値を期待できるようになり、相続時にも資産価値のあるものとして残すことができます。
「減価償却や相続税削減が可能」
建て替えで新たに減価償却分が増えれば、経費計上により所得税の節税が期待できます。また、建て替えはリフォームと比較して高額になりやすい傾向にあります。ローンを利用して建て替えをする場合にも財産分から差し引くことができるため、相続税の削減効果も期待できます。
2-2-2.建て替えのデメリット
「費用が高額」
アパートの建て替えには、新築費用だけでなく解体費用や仮住まいの費用、登記料や保険料などさまざまな費用がかかります。多くの場合で新しく大規模リフォームと比較するとかかる費用の多さはデメリットに感じるオーナーが多いでしょう。
「かかる期間が長い」
建て替えはリフォームより大規模な工事となり、解体から始まるため、より長い期間を必要とします。また、立ち退き交渉から始まる場合もあるため、スムーズに計画が進まない可能性もあります。
2-2-3.大規模リフォームのメリット
「コストが抑えられる」
大規模リフォームの魅力的な点は、建て替えに比べて安価なコストで新築同様の見た目に出来ることです。
古くても建物の基礎部分が丈夫なら、充分な需要を満たせるでしょう。
「一定の空室対策効果がある」
アパートに入居しようとする人は古い物件をなかなか選ぼうとしませんが、リフォームがされてきれいな室内なら、選ばれる確率はぐんと高くなります。
費用に余裕があれば、壁紙の柄を凝ったものにするなど工夫をすれば、更に選ばれやすくなるでしょう。
「工期が建て替えに比べて短め」
建て替えの標準的な工期は4~8ヶ月となっていますが、大規模リフォームでは5ヶ月ほどで完成させられる場合もあります。
工期が短く済めばその分経営再開を早められますので、メリットと言えるでしょう。
2-2-4.大規模リフォームのデメリット
「リフォーム後も修繕費が発生する」
言うなれば、大規模リフォームは「アパートの延命」です。
老朽化した部分をすべて取り換えられるわけではないので、まとまった修繕費が近い将来再び必要になります。
「収益性の改善は限定的」
大規模リフォームだけで、新築並みの賃料になるわけではありません。
空室率を改善し多少は賃料を上げられたとしても、それほど大きく収益力が上がるとは限らないことに注意が必要です。
「新築と同等のリニューアルは難しい」
大規模リフォームでは、設備の入れ替えと、外壁の塗り替えなどを行うことが多いですが、見栄えだけでなく耐震性や耐火性などの安全面にも気を配るのが理想です。
とはいえ、耐震補強はコストがかかり、耐火性能を高めるリフォームは技術的に困難な場合もあるので、大規模リニューアルを行っても全面的に新築と同等レベルにするのは難しいでしょう。
2-3.その他の比較ポイント
ここまでご紹介した比較ポイントのほか、築年数や工期、間取りの変更度合いなどさまざまな比較ポイントがあります。
例えば、アパートが壁構造と呼ばれる、壁や床といった板状のもので建物を支える仕組みになっていると、柔軟な間取り変更をすることができません。それでもニーズにあわせて大きな改変をしたいという場合は、大規模リフォームではなく、建て替えを選択せざるを得ないことになります。
最終的な判断はケースバイケースとなりますので、まずはプロの視点で経営プランを立ててもらい、どちらを選ぶべきか比較するのが近道でしょう。
「建て替え?」「大規模リフォーム?」
3.建て替えか大規模リフォームか、判断基準5つ
ここまでの記事をお読み頂けますと、建て替えか大規模リフォームかを決定するにはいくつかの基準があることが何となく分かって来られるかと思います。
この章ではそれを具体的に5つご紹介致します。
- 基礎部分の劣化具合で判断する
- あとどのくらい使用するかで判断する
- 建て替えの到来時期で判断する
- 必要なリフォームの程度で判断する
- 空室率の改善に繋がるかどうかで判断する
3-1.基礎部分の劣化具合で判断する
建て替えか大規模リフォームかで迷った時、最も分かりやすい基準となるのが基礎部分の劣化具合です。
大規模リフォームでは基礎部分は残して施工するので、あまりに傷みが進行していた場合には、建て替えでしか対応できないことがあります。
この場合築年数のみで判断することはせず、不動産会社や建築会社で建築士などの有資格者に現状を診断してもらうことがおすすめです。
建物の劣化は立地条件、気象条件によっても変わります。
過酷な条件化では通常より劣化が早まることも考えられ、たとえ築年数が浅くても、リフォームでは補いきれない損傷が認められる場合もあるためです。
3-2.あとどのくらい使用するかで判断する
これも分かりやすい基準の一つと言えます。
アパートの基礎部分に損傷が見つかった場合、例えば入居者の減少と共に経営に見切りをつけたいと考えているなら建て替えの必要はありませんし、一方でそのアパートをこれからも長期に渡って経営していきたいのならば検討するべきと言えます。
3-3.建て替えの到来時期で判断する
どこかの部分が不具合を起こした時には、併せて全体的にどれくらい損傷を受けているのかをチェックしてもらうことをおすすめします。
基礎部分の劣化具合によっては、現在はまずまず大丈夫と言えても数年後には危ないという場合があります。
近いうちに建て替えが必要になることが考えられるような場合には大規模リフォームはせず、早めに建て替えを検討した方が良いでしょう。
3-4.必要なリフォームの程度で判断する
例えば耐震補強や断熱補強をするケースでは、屋根や外壁などに大規模に手を掛けることになります。更に内部も今のニーズに合うように作り変えるとなると、新築に準じるような費用がかかる場合も。
建て替えよりは安価とはいえ、たとえ大規模なリフォームをしたとしても、この先新築同様の耐久性を維持できるわけではありませんので、建て替えた方が負担が軽く済む可能性もあるでしょう。
3-5.空室率の改善につながるかどうかで判断する
今現在のアパートの状況を考えて、リフォームだけで空き室率の改善が可能かを検討して決めるのも一つの考え方です。
現在の入居者数が充分なら本当に必要な箇所だけのリフォームで良いでしょう。
思うように集まっていないという場合でも、例えば定期的なメンテナンスのおかげで外回りの耐久性を維持できているなら部屋の内部をリニューアルするだけでも入居者が増えるかもしれません。
一方躯体が古びていて雨漏りや床の腐食など劣化が見られる場合には、内装が整っていたとしても入居者は不安を覚えるでしょうから、建て替えを視野にいれても良いと言えます。
4.シチュエーション別 建て替えか大規模リフォームかの判断基準
この章では具体的なシチュエーション別に、建て替えと大規模リフォームでどちらが向いているかを解説していきます。
4-1.築30年を過ぎている
- 事例
- 「所有しているアパートの築年数が30年を過ぎています。建て替えをすべきでしょうか?」
- 回答
-
そのような場合、以下2つの要素をふまえて決定して下さい。
- 基礎部分の傷み具合はどれくらいか?
- この先何年使用するか?
4-1-1.基礎部分の傷み具合はどれくらいか?
建て替えか大規模リフォームかを決めるのは、主に基礎部分の傷み具合です。
築30年を超える物件であっても今まで丁寧に手入れをしていれば、基礎部分に重大なダメージが見受けられず、建て替えが必要ない場合もあります。
住宅診断士など専門家に頼んで診断をしてもらい、基礎部分がどれだけ傷んでいるかを把握しましょう。料金は5~10万円ほどが相場です。4-1-2.この先何年使用するか?
この先も経営を長く続けていくのであれば、建て替えをするべきといえます。
大規模リフォームは建物の現在建っている建物の延命措置であり、いかに丁寧な手入れをしていても、また10年20年と経てば、建て替えを必要とする傷みが生まれてくることは避けられないでしょう。
4-2.間取りを大きく変更したい
- 事例
- 「高齢者向けの施設が近くに建ったのを機に、バリアフリーを意識したアパートにしたいと考えています。大幅な間取り変更が必要になると思うのですが、どちらを選択した方が良いでしょう?」
- 回答
-
壁構造を採用したアパートの場合、間取り変更をすることが出来ません。また始めに建っていたアパートの構造によっては、リフォームで対応できる範囲の間取り変更では追いつかない場合もあります。
大きく間取りを変更したい場合は、建て替えを視野にいれて進めた方が良いでしょう。
4-3.相続の予定がある
- 事例
- 「住宅診断をした結果、現時点では基礎部分に問題がないとは言われたのですが、子どもたちに資産としてアパートを相続させたいと考えているので、悩んでいます」
- 回答
-
相続の予定があるのであれば、建て替えをおすすめします。
たとえ現在の基礎部分に問題がなくても、お子様方の世代までには建て替えを必要とする大きなダメージが生まれて来るのは避けられません。更にアパートローンを利用して建て替えれば、ローン分は相続のときに財産分から差し引くことができるため、相続税の削減効果が期待できます。
更に相続発生以前の利点として、減価償却により所得税の節税効果も望めます。
4-4.築50年以上のアパートである
- 事例
- 「相続によりアパートを所有しました。入居者は安定して入っていて、とても丁寧に手入れをされておりきれいな状態ですが、築50年ほどは経っていて耐震性が心配です」
- 回答
-
そのような場合は、一概にどちらが勧められるとは言い難いです。
1981年以前に建築されたアパートであった場合、旧耐震基準法のもとに建てられていますので、強い地震に耐えられない可能性があります。現在の新耐震基準法は震度6~7程度の大規模地震においても崩壊しない強度をもとに計画されていますが、旧耐震基準は震度5程度までに耐えうることが基準でした。
しかし、例えば築50年以上の古いアパートであっても、入居者が安定して入っているのであれば、建て替えをすると払わなければならない退去費用が高額になりますので、その土地の地盤の強さや地震が起きた時被り得る被害のシミュレーションなどをした上で、建て替えるか、出来る限りのリフォームを施すか、決めてみてはいかがでしょうか。
4-5.それぞれの方法に向いている人
これまでの記事の内容をふまえてまとめてみると、大規模リフォームに向いている人は以下のような人と言えます。
- 費用を削減したい人
- 所有しているアパートの基礎部分が丈夫である人
- これから同じアパートを用いて長く経営を続けていく予定がない人
- 入居率が減っていないアパートを所有している人
- 建て替えが出来ないアパートを所有している人
建て替えに向いている人は以下の通りです。
- 費用が高額でも検討できる人
- 所有しているアパートの基礎部分の劣化が激しい人
- これからも長く同じアパートを経営していく人
- 相続の予定がある人
- 間取りを一新したアパートに作り替えたい人
「建て替え?」「大規模リフォーム?」
5.信頼できる建築会社の選び方
築年数を経たアパートを建て替えるべきか否かの判断は難しいものです。
大規模リフォームでは基礎部分の劣化まで止めることは出来ませんし、耐震・耐火の性能に不安があったとしても、建て替えは高額な費用を必要とします。
後々後悔するような事態を防ぐためには、入念な準備が必要です。
5-1.住宅診断士のいる会社を選ぶ
建て替えか大規模リフォームかを決定するための最初の検討事項は、基礎部分の劣化具合です。
専門家に診断してもらえば、災害時に被るリスクの大きさや、今後発生してくる修繕費用を見据えた提案を受けられます。
更に建築士の資格も持っている人であれば、その建物がそもそも建て替えが可能かどうかなど、建築の分野にも通じた幅広い視点ですべき選択を提示してくれるでしょう。
5-2.先々の費用やリスクを判断できる会社を選ぶ
建て替えか大規模リフォームかの選択においては、費用面も大切な考慮のポイントです。
「大規模リフォームをしたことで賃料はどのくらいアップできるのか」
「投資した金額はどのくらいの期間で回収が可能か」
「先々でかかって来る修繕費用、建て替えないで使い続けるリスクはどのくらいになりそうか」
など、コストパフォーマンスやリスク想定に関する提案力が強い会社を選べば、選択の際に迷わないで済むでしょう。
5-3.状況に合わせた提案をしてくれる会社を選ぶ
例えば
- 物件に思い入れがあって、雰囲気を少しでも残したままにしておきたいという場合
- 建て替えが出来ない場所でも耐火・耐震性をアップしたい場合
- 相続税を節税したい場合
- 間取り・内装デザインを一新して入居率の大幅改善を狙いたい場合
など、様々なシチュエーションにあわせた判断をしてくれる会社を選びましょう。
個人の意見に寄り添って、その時点で最良の判断をしてくれる人がいれば、建て替えや大規模リフォームを施したあとのフォローも、頼みやすくなります。
また、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」なら無料で土地活用提案を受けることが可能です。以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社のハウスメーカーがあなたの土地に合った、建築費の見積もりや、経営プランを無料診断いたします。
「アパートはいくらで建つの?」「いくら儲かるのか知りたい」という方はご活用ください。
「建て替え?」「大規模リフォーム?」
この記事のカテゴリトップへ