アパート経営は利回りが高く、節税効果も高いのが魅力です。
でも「アパート経営は本当に儲かるのだろうか?」と半信半疑の方もいらっしゃると思います。
結論から申し上げると、残念ながら、すべてのアパートが儲かるわけではありません。
この記事では、アパート経営が儲かる仕組みを「収益面」「節税面」に分けて、詳細に解説していきます。
儲かるアパート経営を実現するためには、まずはその仕組みをしっかり理解することが重要です。
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「うちの土地にアパートが建つの?」「いくら儲かるのか知りたい」という方はご活用ください。
アパート経営が儲かる仕組みは?
儲けを出しているアパートオーナーは、「アパート経営からあがる収益」と「節税効果によって手元に残るお金が増加すること」という二つの恩恵を得ています。
- 【収益面】
- 「会計上の利益」「減価償却」「キャッシュフロー」などの仕組みを理解しておくことが大切です。
- 【節税面】
- 相続税、固定資産税、都市計画税、所得税の節税が可能です。
「アパート経営を通じて実際には利益が出ていても、会計上は赤字となることがある」というアパート経営の特徴により、課税される税金を減らす効果があります。
アパート経営で儲かるためのコツは?
アパート経営で儲けを出すためのコツとして、収益を最大化させるという点においては
- 事前に自己資金を十分に用意して、ローンの利息額を抑えること
- アパート経営の収入と会社の給与所得などを通算して、トータルの税金を減らすこと
などが挙げられます。
また、上にあげたようなオーナー自身の努力の他に、「優良なハウスメーカー」を味方につけることもアパート経営の儲けに直結してきます。
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詳しい解説は以下
1.アパート経営が儲かる仕組み【収益面】
アパート経営が儲かる理由には、大きく分けて「家賃収入が得られる」「節税できる」という2つの面があります。
まずは、アパート経営が儲かる仕組みのうち、「収益面=家賃収入」について解説します。
アパート経営でしっかり利益を出していくには、「会計上の利益」「減価償却」「キャッシュフロー」などの仕組みを理解しておくことが大切です。
少し難しそうな話に感じられるかもしれませんが、できるだけやさしい言葉で説明していきますのでご安心ください。
1-1.アパート経営の「会計上の利益」
アパート経営では、次のように「利益」を計算します。
そして、この「会計上の利益」に対して、所得税が課税されます。
利益=家賃-固定資産税等・火災保険料・管理費・修繕費・減価償却費・ローンの利子など
アパート経営ではほとんどの場合、「会計上の利益」はプラスになります。
なので、アパート経営は一般的に「儲かる」といっても間違いではありません。
(含みのある表現をしている理由は、次の「会計上の利益とキャッシュフローの違い」で詳しく解説します。)
なお、会計上、赤字になっても、実は節税メリットが生まれることがあるので、これについては2章で解説します。
1-2.「会計上の利益」とキャッシュフローのちがい
アパート経営では、「会計上の利益」と「キャッシュフローがプラスになるか」をそれぞれ意識する必要があります。
会計上の利益の計算を再掲します。
利益=家賃-固定資産税・火災保険料・管理費・修繕費・減価償却費・ローンの利子など
一方、キャッシュフローとは、最終的に手元に残る現金を指します。
キャッシュフローは、会計上の利益から税金とローン返済額を差し引き、現金の出費がないけれど経費である「減価償却費」を足したものになります。
キャッシュフロー=利益-税金+減価償却費-借入金返済額
先ほども触れましたが、ほとんどのアパート経営では、「会計上の利益」はしっかりプラスになります。
一方で、キャッシュフローはプラスになるかどうかギリギリになったり、場合によってはマイナスになってしまうこともあります。
土地と建物を両方購入した場合に自己資金が少ないと、返済額の負担が大きく、キャッシュフローには余裕がないことがほとんどです。
裏を返せば、土地をすでに持っている方や、自己資金が多い方にとっては、キャッシュフローに余裕のある「儲かるアパート」を実現することは比較的簡単です。
実際にアパートを建てた際にどれだけの収益を見込めるのかについてはこちらを参考にして下さい。
1-3.減価償却の節税効果
アパート経営をする上で、ぜひとも知っておきたいのが「減価償却」です。
減価償却費は、会計上の利益を計算するときに、経費として計上できます。
減価償却は、アパートの建物部分の資産価値が、毎年少しずつ減っていくものと見なして経費に計上する考え方です。
実際に現金の出費を伴わない経費を計上し、利益を圧縮できるので、大きな節税効果があります。
減価償却できる期間は、建物の構造によって決まっており、これを「法定耐用年数」といいます。
建物本体の法定耐用年数は、木造なら22年、軽量鉄骨なら厚みに応じて19年または27年、重量鉄骨は34年、鉄筋コンクリートなら47年です。
木造アパートは、1年に計上できる減価償却費が大きくなるため、大きな節税が可能というメリットがあります。
減価償却費は築年数が浅いうちに大きく費用計上でき、築年数が古くなると減価償却費が減って節税効果が減ってきます。
そのため、アパート経営では通常、新築時のほうが余裕を持って経営できます。
なぜなら、築年数が浅ければ賃料水準が高い上に、減価償却による節税効果が大きく、大きな修繕費もまだそれほど発生しないからです。
安定したアパート経営のためには、余裕のある新築時から将来に備えて、収入の一部を積み立てていくことをおすすめします。
1-4.アパート経営の「利回り」とは
アパート経営の「利回り」とは、収益性を示す指標であり、投資額に対して、どれだけの収益が得られるのかを表します。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります。
「表面利回り」は、家賃収入だけを見て計算するので、経費を考慮しません。
「実質利回り」の場合は、家賃収入から経費を差し引いて計算します。
例えば、土地・建物合わせて8,000万円で購入したアパートから得られる家賃が年間600万円、経費が90万円であれば、次のようになります。
表面利回り=600万円÷8,000万円=7.5%
実質利回り=(600万円-90万円)÷8,000万円=約6.3%
アパート経営をはじめるときには、必ず実質利回りも考慮して意思決定するようにしてください。
- 所有している土地にアパートを建てる場合
-
利回りを高くして投資効率を上げるためには、できるだけ建築費を抑えつつ、高い家賃が得られる建築プランを選ぶことが大切です。
- 新しく土地から購入してアパート経営を始める場合
-
有利な立地を選ぶほど家賃収入も上がりますが、土地の値段も高くなります。
そのため、「郊外の不便な土地よりも都心の有利な立地のほうが、利回りが低くなる」という関係になります。
また、中古のアパートのほうが新築よりも安く買えるので、中古の方が利回りは高くなります。
1-5.アパート経営の「レバレッジ効果」とは
アパート経営が資産運用の手段として優秀な理由の一つとして、「レバレッジ効果」があげられます。
レバレッジ効果は、小さな資金で高い収益性を上げられることを指します。
例えば、借入せずに自己資金のみで1,000万円の中古ワンルームマンションを購入し、利回りが6%なら、得られる利益は60万円です。
次にレバレッジを利かせて、自己資金とローンを合わせてアパートを購入した場合を見てみます。
自己資金1,000万円+借入4,000万円=5,000万円でアパートを購入し、利回りが6%なら、得られる利益は300万円です。
ローンの金利が3%として、初年度約120万円の利息を差し引くと、実質の利益は180万円となります。
自己資金1,000万円に対して180万円の利益なので、利回りは18%となり、投資効率は非常に高いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
アパート経営では、自己資金と借入金を合わせて投資することで、資産を効率よく運用できます。
2.アパート経営が儲かる仕組み【節税面】
アパート経営が儲かる理由としては、家賃収入に加えて節税効果があります。
具体的には、相続税、固定資産税、都市計画税、所得税の節税が可能です。
中でも、相続税の節税目的でアパートを建てる人が最も多いようです。
場合によっては、相続税が数百万円以上節税できることがあるため、「家賃収入の面ではそれほど利益が出なくてもかまわない」と考える方もいらっしゃいます。
とはいえ、本来のアパート経営がうまくいかずに資産が目減りするようなことにならないよう、収益性の高いアパートを建てることも意識しましょう。
2-1.相続税の節税
アパート経営は相続税対策に有利です。
相続税は一定以上の財産を持っている場合にだけ課税され、財産が多ければ課税額も増えてしまいます。
そこで、相続税の「評価額」を下げることが節税になります。
例えば、土地・建物の時価1億円相当のアパートは5千万円前後まで評価額を下げられることがあります。
まず、アパートの土地部分についてみていきます。
土地の相続税評価額は時価の8割前後となり、そこから「貸家建付地」のため2割減額され、さらに「小規模宅地等の特例」という制度で200平米まで5割減額されます。
アパートの建物部分については、建築費の5~6割程度で評価される「固定資産税評価額」から、さらに「貸家の評価減」によって3割程度下がります。
その上、アパートローンの借り入れ残高があれば、資産の総額から借入額を差し引くことで、さらに相続税評価額を下げられます。
相続税の税率は10%~55%と大変高額ですので、アパート経営による相続税節税効果は大きいものになります。
2-2.固定資産税・都市計画税の節税
固定資産税・都市計画税は、毎年、1月1日時点の不動産の所有者に課税される税金です。
アパートの土地部分には、「住宅地の減額制度」があります。
そのため、更地にアパートを建てると、敷地のうち200平米まで固定資産税評価額は6分の1、都市計画税評価額は3分の1になります。
利便性の高い場所で駐車場などを経営している場合は特に、高い固定資産税・都市計画税を毎年支払っているはずですので、大きな節税効果が見込めます。
2-3.所得税の還付(損益通算)
「1-3.減価償却の節税効果」で説明した通り、アパート経営は、会計上「赤字」になった場合でもメリットがあります。
このケースでは、赤字ですので当然、アパート経営そのものには課税されません。
その上で、給与所得などの他の所得に課税される「所得税」が還付されます。
例えば、アパート経営で100万円の「赤字」なら、給与所得が100万円少なかったと見なして、所得税が返還されます。
「アパート経営が赤字」というと危機感を感じるかもしれませんが、これは会計上の話なので、「現金は増えているけれど、減価償却費を差し引くと会計上は赤字になる」というケースでも節税できるのが魅力です。
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3.「儲かるアパート経営」実現の5つのコツ
1・2章の儲かる仕組みを踏まえた「儲かるアパート経営」のコツをご紹介します。
アパート経営で儲けるために、ぜひ次の5つのコツを強く意識してください。
- 自己資金を多めに用意し、キャッシュフローに余裕を持たせること
- 「損益通算」を活用し、アパート経営以外の給与所得なども節税すること
- 資産の総額が「法定相続人の数×600万円+3,000万円」を超える場合は相続税対策としてのアパート経営を検討すること
- ハウスメーカーに管理会社の紹介や修繕計画の提案をしてもらうなど、ハウスメーカーによる稼働後のフォローも重視すること
- 建築費をおさえつつ、長期的な競争力を維持できるアパートを建てること
順に説明していきましょう。
3-1.キャッシュフローに余裕を持たせる
物件購入費用に占める自己資金の額が多ければ、利息を含めた月々のローン返済額が減るので、キャッシュフローに余裕が出てきます。
不動産仲介業者の中には、「自己資金がまったくない人でもフルローンでアパート経営を始めることができます!」と宣伝している会社もありますが、ゆとりあるアパート経営を実現する上では得策ではありません。
用意すべき自己資金の目安としては、アパートの建築費を含めた初期費用の2~3割が望ましいラインです。
3-2.損益通算」で節税する
アパート経営が会社員の間で人気がある理由の一つに、「損益通算」を通じて会社からもらう給与所得とあわせて節税できるから、というものがあります。
損益通算は「不動産経営や事業で赤字となった分を、給与所得などのプラス分と相殺して税額を減らすことができる」仕組みです。
アパート経営で得られた利益から各種税金や減価償却費などを差し引いた額が赤字となれば、この損益通算の仕組みを利用し、会社からもらったお給料にかかる所得税を減らせます。
ポイントは、「アパート経営がキャッシュフローベースでは黒字」であっても、そこから減価償却費を差し引いた額が赤字であれば、損益通算を利用して課税額を減らせるということです。
アパート経営をするにあたっては「アパート経営自体が儲かるかどうかだけを考えるのではなく、会社からの給与や他の事業の節税に活かす」という視点を持ち合わせるようにしましょう。
3-3.相続税対策を検討する
相続税は全ての人に相続税が課税されるわけではなく、資産の総額が基礎控除額(法定相続人の数×600万円+3,000万円)を超える場合に課税対象となるため、対象になりそうな方は相続税対策のためのアパート経営を検討してみるのもいいかもしれません。
なお、アパート経営をスタートしてから3年以内に相続が発生してしまうと、「小規宅地等の特例」が適用されず、節税効果が弱まってしまう場合があるため、できるだけ早めに検討することをおすすめします。
3-4.ハウスメーカーのフォローも重視する
アパート経営をスタートする前に気をつけるべきこととして、建築費や利回りの想定以外にも、入居者集めのためのPR方法の方針や、修繕を行うタイミングの計画など、「稼働後を想定すること」が重要です。
ただし、稼働後に発生するであろう事象について、アパート経営の経験が浅いオーナーが独力で想定して対策を打つことは困難です。
そこで、ハウスメーカーから(稼働後にアパート経営をサポートしてくれる)管理会社を紹介してもらったり、修繕計画を提案してもらうことがベストな対策になります。
ハウスメーカーから提案は、実際にアパート経営を任せるハウスメーカーだけでなく、様々なハウスメーカーからの提案を受け、相見積もりをするとよいでしょう。
賃貸住宅の建設をハウスメーカーに任せることの詳細についてはこちら。
3-5.長期的な競争力を維持する
アパートの利回りを最大化するためには、「最小限の建築費で建てたアパートで、可能な限り高い収益をあげること」が大切です。
とはいえ、建築費をカットしようと意識するあまり、「安かろう悪かろう」の言葉に表されるような出来上がりになってしまっては本末転倒です。
建築費をおさえることと、長期的な競争力を維持できるアパートの建設を両立するには、優良なハウスメーカーを選ぶことがベストです。
ハウスメーカー選びのコツについては、次の章で詳しく説明します。
4.儲かるアパート経営に強いハウスメーカーを選ぶためのポイント
アパート経営で十分に儲けるためには、オーナー自身の努力だけでなく、「優良なハウスメーカーを選ぶこと」がカギとなってきます。
以下、「安心して相談できるハウスメーカー」を選ぶために必要不可欠なポイントについてお伝えします。
4-1.ハウスメーカーの提示する「経営プラン」
多くの大家さんはアパートを建築するタイミングで、建築にかかる費用や工法、出来上がる物件などのことばかりを気にかけがちですが、出来上がった後の収益を左右する要素として「完成前・完成後の経営プラン」も非常に重要です。
各メーカーが提示しているランニングコストや収支計画をチェックすることによって「より具体的で現実性が高い計画」を掲げている会社を選ぶことが重要です。
(各社ごとに、意外なほど内容の差があるのがお分かりいただけるはずです)
4-2.ハウスメーカーの規模
大手ハウスメーカーのアパートはもともと施工の質が高いので、劣化しにくく、修繕費も最小限で済みます。
また手厚いアフターサービスが付いていますので、長年に渡り建物のコンディションを維持することができます。
大手ハウスメーカーで物件を建てた方の声を聞くと、決まって「アフターサービスが良い」という答えが返ってきます。
中小のハウスメーカーも「大手にはできない細やかなサービスを提供できる」というイメージを消費者に持たせようとアピールしていますが、少なくとも「大切な資産を形成する」ことを第一に考えればでは、やはり大手ハウスメーカーに建ててもらうのが安心です。
4-3.評判・口コミ
ハウスメーカーの評判や口コミについては、インターネットを活用することによって業者の立場から独立した中立な意見を拾うことができます。
特に近年では、通常のGoogle検索の他に、SNS上で情報を探すことによって「生のユーザーの声」を見つけやすくなっているので、ぜひご活用ください。
4-4.問い合わせへの対応
問い合わせへの応対が手厚い会社であれば、実際に契約を結んだ後のフォローの質にも期待できるでしょう。
気になるハウスメーカーがあれば、事前にメールで相談してみて、担当者がどれぐらい丁寧に応対してくれるかを確かめるのも一手です。
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