土地活用を始めてご検討する方向けに「人気の土地活用方法」ベスト10をランキング形式でまとめています。
これを読めば初心者の方でも土地活用について主要な活用法を把握したうえで、自分にあった活用法を選ぶ事ができるようになります。
上位5つの方法は以下です。この記事ではあわせてベスト10を紹介しています。
- アパート経営
- マンション経営
- 賃貸併用住宅
- 戸建て賃貸経営
- 駐車場経営
他のランクイン方法とあわせて「1.<一覧表>人気の土地活用ランキングベスト10」をご確認ください。活用方法別にメリット・デメリットを「2.<ランキング別>土地活用方法のメリット・デメリット」で詳しく解説しています。
以下の理由で土地活用を始める方が多いです。
- 相続税対策をしたい
- 節税対策をしたい
- 家族に土地を残したい
- 資産運用・投資をしたい
- 将来の安定収入が欲しい
目的に沿った最適な土地活用方法は「3.土地活用を行う理由ランキング」でご確認ください。
1.<一覧表>人気の土地活用ランキングベスト10
本章では土地活用として人気のある活用法10種を、初期費用、収益性、節税の3項目で評価し、ランキングでご紹介します。
どの活用方法もはじめての土地活用としてスタートしやすく、収益の得やすいものをあつめました!
表内にある土地活用の詳細は2章で説明します。すでに気になる土地活用方法がある方は、該当する活用方法をご覧ください。
順位 | 土地活用法 | 初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|---|---|
1 | アパート経営 | 中 | 〇 | ◎ |
2 | マンション経営 | 高 | ◎ | ◎ |
3 | 賃貸併用住宅 | 中 | 〇 | 〇 |
4 | 戸建て賃貸経営 | 中 | △ | △ |
5 | 駐車場経営 | 低 | 〇 | × |
6 | 老人ホーム経営 | 中~高 | 〇 | ◎ |
7 | トランクルーム | 低~中 | 〇 | × |
8 | 事業用定期借地 | 低~高 | 〇 | △ |
9 | 太陽光発電 | 低~中 | △ | × |
10 | 郊外型店舗 | 低~中 | △ | ◎ |
今回紹介している以外にも、土地活用方法はたくさんあります。
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2.<ランキング別>土地活用方法のメリット・デメリット
本章では、1章で紹介したランキングに沿って、各土地活用の事業内容の説明とメリット・デメリットをまとめています。
1位:アパート経営
アパート経営は、金融機関から資金を借り入れ、アパート建築・運営に投資をし、賃料収入を運用利益とする土地活用方法です。事業利益は利回りで示され、理想の利回りは5%前後とされるのが一般的です。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
中 | 〇 | ◎ |
【メリット】
アパート一軒分の建築費用が発生しますので、初期費用が大きめですが、この建築費も賃料の中に組み込まれますので、実際には、入居者にローン返済をしてもらいながら、ご所有の土地をアパート経営へと資産拡大することができます。
また、この初期費用の大きさを活用して、相続税の対策にする方もいらっしゃいます。
長期に安定した収入が見込めるため、私設年金などの収入サポートにもなり、アパート経営をした状態でも相続をしていけますので、土地を次の世代に継承できます。
【デメリットと対策】
初期費用が比較的大きめのため、用意する自己資金も大きめになります。
経営後に、最も注意すべきは「空室」。
アパート建築をするために組むローンは、入居者からの賃料があることを前提に返済計画ができていますので、空室が続くと、返済計画の修正が必要なうえ、空室が解消するまで、ローンを自腹で払うことになります。
このような事態を回避するためには、土地のエリアニーズを調査し、入居者が付きやすい間取りのアパートを作る必要があります。
また、アパート経営そのものが周辺ニーズにかみ合わない場合は、他の土地活用も検討しておく必要があります。
初めてのアパート経営
2位:マンション経営
「マンション経営」と「アパート経営」の違いは、建築構造の違いと耐用年数の違いが大きく「マンション」とは、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の3階建て以上の共同住宅を指すことが多いです。
マンションはアパートに比べ耐震性、断熱性、遮音性に優れることから賃貸住宅としても人気があり、高稼働が期待できる土地活用方法の一つです。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
高 | ◎ | ◎ |
【メリット】
エリアニーズに沿っていれば、長期安定収入が見込めます。マンションは構造上、建物としての寿命が長いため、適切な手入れをしていけば、かなりの長期間、家族で継承していくことができます。
初期費用は建物の規模と設備にもよりますが、木造よりも坪単価が高くなりますので、アパートや戸建て経営よりも初期費用は高くなります。
しかし、この初期費用の高さを活用して、相続税の対策にしている方も大勢いらっしゃいます。
マンション建築には大きな金額が必要ですが、費用のほとんどは、事業用ローンの借り入れで行います。莫大な資金を借り入れることにはなりますが、返済計画は入居者からの賃料を充当することが前提ですので、ローンは入居者が支払ってくれる上に、資産の拡大ができます。
【デメリットと対策】
同じ住居の賃貸経営であるアパートや戸建てと比較すると、マンションの初期費用はかなり高額になりますので、準備する自己資金も大きくなります。
一般的にアパートよりもマンションの方が家賃設定を高めにできますが、マンション経営>アパート経営というわけではなく、ご所有のエリアがマンション向きであれば、マンションを建てる方が適しているという意味です。
そのため、周辺エリアニーズを読み違えてしまうと、空室が発生しやすくなります。
また、賃貸でマンションを探す方は、利便性や設備などを重視する傾向があるため、周辺ライバル物件との明確な差別化をしないと、空室リスクが高くなります。
これらの対策は、不動産会社に相談しながら、経営プランや戦略を考えていく必要があるため、マンション経営をご検討の場合は、複数の建築プランを入手し、さまざまな観点から比較をしておく必要があります。
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3位:賃貸併用住宅
賃貸併用住宅とは、自宅の一部分に賃貸住宅部分がある、自宅と賃貸経営を兼ねた家のことを指します。間取りタイプも様々で土地や目的にあったバリエーションが豊富です。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
中 | 〇 | 〇 |
【メリット】
賃貸併用住宅は、マイホームに賃貸部分が付いているという位置づけですので、マイホーム部分が全体の50%あれば、住宅ローンを適用できます。賃貸部分には、普通の事業用ローンを適用し、併せた金額が返済金額になります。
賃貸併用住宅のローン返済計画は、賃貸部分の家賃を充当する前提で組まれますので、マイホームのローンを入居者が支払ってくれることになります。
また、ローン完済すれば、住宅部分も賃貸に出す・賃貸部分を使って二世帯・三世帯住宅にするなど、ライフステージに合わせて使い方を変化させることもでき、次世代への資産継承がしやすくなります。
相続税対策としては、人に貸している部分がある住宅のため「貸家建付地」としての評価になり減額対象となります。
さらに、マイホームには、小規模宅地の特例も適用できます。
【デメリットと対策】
賃貸併用住宅のデメリットは、マイホームの建築資金が、普通の戸建てよりも高くなってしまうところです。
また、アパート経営やマンション経営と比較すると、賃貸部分の数が少ないため、投下資金に対する利回りが悪くなります。
例えば、賃貸部分が1部屋しかない場合は、空室が出ると、収入がゼロになります。預貯金を資産運用として賃貸併用住宅に回す予定の場合は、特に注意が必要です。
これらのデメリットは、賃貸部分のエリアニーズがあるかどうかの事前調査をして、入居率を上げることで回避できます。賃貸部分の収益がそのまま返済費用になりますので、空室を避けることが、賃貸併用住宅での土地活用を成功させる最初のハードルとなります。
また、土地活用として賃貸併用住宅を採用する場合は、必ず家族の意見も取り入れ、賛同してもらってから動くようにします。マイホームには、家族それぞれ期待しているイメージがありますので、よく話し合ってから決めないと、資金が多くかかるのに、満足度の低いマイホームとなってしまいます。
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4位:戸建て賃貸
戸建て賃貸は、一戸建てを1棟まるごと賃貸する土地活用で、アパート経営ほど高収益ではないものの、安定的に儲けを出せる傾向に高い方法のひとつです。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
中 | △ | △ |
【メリット】
戸建て賃貸は、ファミリー層向けの賃貸を想定しているケースが多いため、エリア環境が良ければ、子供が大きくなるまで・次の転勤までなどの、まとまった期間の賃貸をしてもらえる可能性が高く、長期安定収入につながります。
庭や駐車場のスペースがある場合は、ファミリー向けのマンションよりも少し高めの賃料設定も可能です。貸し出すのが1軒だけであれば、管理会社に管理を委託する必要もないため、管理費が発生しない可能性もあります。
新築を建てる場合は、初期費用として建築費と諸費用がかかりますが、建築のためのローンは、賃料から返済していくため、実際には入居者にローン返済をしてもらいながら、ご所有の土地に戸建てを建てることができます。
また、初期費用の大きさを活用して、相続税対策にも使えます。
建っている家を賃貸する場合は、必要なリフォームをしてから貸す以外にも、入居者に「躯体以外のリフォーム」を自由にさせてあげる契約方法にすると、初期費用がほとんど不要になります。この場合は、賃料は即、すべて収入となります。
基本的に、一軒の家には一家族しか住みませんので、賃貸が終わったら、ご自身やご家族の誰かが住むこともできるなど、フレキシブルな選択肢があります。
【デメリットと対策】
戸建て賃貸は、初期費用が大きいため、用意する自己資金も大きめになります。戸建て賃貸は、ファミリー向け物件であるため、周辺にファミリー層が集まるエリアではない場合、空室リスクが高くなります。
ご所有の土地の周辺がファミリー向けではない場合は、店舗や事務所など、マイホーム以外のスタイルで賃貸に出すという方法で対策が取れます。戸建ては店舗用に作られた物件ではないため、ビジネス利用にすると、早く建物が傷みます。
契約の際には必ず「原状回復」を盛り込み、修繕が発生する場合は、入居者負担で原状回復ができるようにしておきます。
これらの対策は、ご自身で考えるよりも、不動産会社の担当者に適切な対処法を設定してもらう方が良いので、信頼のおける不動産会社とのめぐり逢いも、成功要因の一つになります。
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5位:駐車場経営
駐車場経営には「月極駐車場」と「時間貸し駐車場(コインパーキング)」の2種類があります。
「月極駐車場」は、月単位の契約で貸す駐車場のため、砂利敷きで、トラロープ(黄色と黒のロープ)を使って区画割するだけでも営業開始でき、初期費用はほとんどかかりません。
「時間貸し駐車場(コインパーキング)」は、駅や商業施設、観光地など、人が集まるような場所の近くの立地が必要で、アスファルト舗装した上に、塗料でライン引きを行い、自動精算機やゲート、パークロック(車止めのこと)、看板等を設置するため、「月極駐車場」にくらべて、初期費用がかかります。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
低 | 〇 | × |
【メリット】
駐車スペースの需要さえあれば、どこでも、1台からでもスタートができます。ご所有の土地すべてを使う方法から、すでに土地活用で経営しているアパートやご自宅の空きスペースを使って、バイク1台分のパーキングから作ることもできます。
ニーズは「車両を置く場所」ですので、屋根がない、舗装されていない土地でも、需要があれば契約は決まります。管理の必要がほとんどなく、賃料も負担にならない金額のため、退去(解約)がほとんどありません。
収益は低めですが、初期費用の低さを考えれば、スタート当初から賃料をそのまま収益にできます。
相続税に関しては、アパート・マンション経営と比較すると効果は低めですが、それでも、現金のままで相続をするよりは節税効果は高くなります。
また、上物が何もないため、相続の際に分割しやすくなります。
【デメリットと対策】
周辺にライバル駐車場ができると、価格競争が起きて、賃料が下がる可能性があります。
また、駅前などの好立地に大手のパーキングや、自治体が運営する駐車場ができると、解約につながりやすくなります。
対策としては、エリアニーズとのバランスを取りながら、価格調整をしていくことになります。
また、都心部や駅近くなどのパーキングニーズがある場所では、はじめからパーキング専門事業者に委託をする24時間営業にしたほうが、土地に対する稼働率が上がります。
住宅街などの場合は、月極タイプの駐車場にすることで、ある程度の期間、収益が確保されます。
駐車場経営は、スタート時の敷居は低いものの、収益性には限界がありますので、どうしても駐車場経営をしたい!という方以外は、本格的な土地活用をスタートするまでの、暫定利用としての選択をおすすめします。
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6位:老人ホーム経営
土地活用における老人ホーム経営は、老人ホーム運営事業者に施設を賃貸し、収入を得る方法のことを指します。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
中~高 | 〇 | ◎ |
【メリット】
老人ホームのような福祉事業経営は、今後ますます必要とされるサービスですので、需要が高く、長期安定した収益が見込めます。相続の面でも、収益物件として、節税効果が期待できます。
また、運営中でも、事業継承も資産継承もできます。
基本的に、10年単位の長期契約になりますので、事業者の経営が安定していれば、賃料収入が長期にわたって保証されます。老人ホームは、国や自治体に必要なサービスを提供しますので、公共性と福祉性が高く、地域貢献という意味でも、やりがいのある土地活用です。
また、アパートやマンションとしては適していなかった土地条件であっても、福祉施設であれば、問題なく運営できる傾向があります。
【デメリットと対策】
老人ホーム経営による土地活用の成否は、福祉事業者選びで決まると言っても過言ではありません。福祉事業ではありますが、元のビジネススタイルは、サービスの付いた賃貸経営です。そのため、入居者にとって必要な設備とサービスがあり、さらに値段に対して相応のことがされている必要があります。
これらは、実績のある事業者に貸すことで、多くのトラブルを回避できます。
その他のデメリットとして、老人ホームなどのような福祉施設は、途中から用途の変更がしにくい建物であるため、事業主が途中解約を希望した場合は、すぐに次の運営事業者や運営方法が見つからないケースが多く、土地オーナーは収入が途絶えることになります。
対策としては、事業者との契約時に、途中解約にペナルティを設定しておくことで、ある程度のリスクを回避することができます。
また、事業者選びは慎重にし、収益や利益分配方法だけではなく、経営方針や実績なども含めて、長期安定経営ができる実力のある福祉事業者選びが大切になります。
7位:トランクルーム
トランクルーム経営とは、「コンテナハウス」を建築し、収納スペースとして貸し出すことで賃料を得る事業ことを指します。レンタル収納ビジネスとよく混同されることが多いですが、倉庫事業者として契約し、保管している荷物を「保証するか」、「保証しないか」という利用形態に大きな違いがあります。
- トランクルーム経営:利用者に倉庫を貸すときに「寄託契約」を結び、物品の保管・保証義務を負う
- レンタル収納ビジネス:あくまでも「場所を貸す契約」にとどまり、物品の保管は利用者の自己責任で管理
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
低~中 | 〇 | × |
【メリット】
人が住むための建物ではないため、アパートやマンション建築と比較すれば、建物・室内とも簡易なもので済み、初期費用が抑えられます。
また、人が住んでいないため、トランクルームの借り主には居住権がありませんので、他の土地活用に転用したい場合でも、すぐに解約してもらえます。
セキュリティ面での管理は必要ですが、建物内で火も水も使わないため、管理はほぼ不要です。万が一、盗難や火事があっても、損害保険で補填ができます。活用予定地の立地条件にしばられず、周辺エリアに収納スペースのニーズさえあれば、ビジネスが成立します。
一番シンプルな、土地だけを貸して専門事業者に経営をしてもらう場合は、初期投資はゼロ円で土地活用がスタートできます。事業者との契約ですので10年単位の定期借地契約になり、土地代の長期安定収入が見込まれます。
その他の契約方法でも、初期費用が低めなうえに、1契約あたりの賃料も低いため、退去による空室リスクからのダメージも小さいと言えます。
【デメリットと対策】
一番のデメリットは、居住用物件ではないため、相続税の節税効果が薄いことです。
また、トランクルームというビジネス形態が、日本には浸透していないため、開業から契約者が増えるまでに、かなり時間がかかり、赤字の時期が長く続く可能性があります。
対策としては、相続税対策のための土地活用をする予定であれば、アパートやマンション経営などの、居住用物件を賃貸する活用方法を選んでください。
トランクルーム経営は、実績のあるトランクルームに詳しい不動産会社か、専門事業者に相談をして、ご所有の土地の立地条件などが、トランクルーム経営に適しているかを調査・確認してもらってから検討するようにします。
8位:事業用定期借地
事業用定期借地とは、ご所有の土地を、コンビニ・スーパー・ドラッグストア・ホテルなどの、事業用の建物を運営する事業者に貸して、土地の賃料を得る活用方法です。企業がビジネス利用として10~20年単位の長期で借りるケースが多いため、長期安定収入が期待できます。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
低~高 | 〇 | △ |
【メリット】
初期費用や手間がほとんど不要な、スタート時のハードルが低い土地活用方法です。土地条件とエリア条件が良ければ、適正のある事業者から、さまざまな申し込みがあります。
ビジネス目的での長期利用が前提ですので、相場よりも割高な賃料でも契約がまとまり、長期安定収入が約束されます。ビジネスがうまくいっていれば、更新の申し出がありますので、親子代々、土地を継承しながら利益を取得し続けることができます。
相続税の節税効果は、アパートやマンションのような住居ではないため、直接的な効果は少なめです。
ただし、課税対象額の減額割合は、契約の残り期間が短くなるほど小さくなり、相続税評価額が更地に近くなりますので、なるべく長期の契約をすることで、節税効果を上げることができます。
【デメリットと対策】
最も注意が必要なのは、契約方法です。定期借地という、期限のあるタイプの契約方法にしておかないと、将来、土地をご自分やご家族の希望する用途に使用したくなっても、利用することができなくなる可能性があります。
事業主からすると、何億も投資した施設ですので、ビジネスが軌道に乗っていれば撤退はしたくありません。期限のある借地契約にしなかった場合、最悪のケースでは、何代にもわたって企業に貸し続けることになりますので、土地の継承はできるものの、土地活用としてはデメリットの方が多くなる可能性もあります。
また、万が一、借主が経営破綻をした場合は、残された残存物の撤去を、オーナー負担でしなければならないケースもあります。
これらのデメリットは、契約内容を吟味しておくことで回避できます。
契約方法は必ず「定期借地」とし、更新は自動更新ではなく、その時代の価値に見合った契約内容に、オーナー側から更新できる権利などを、最初の契約時に盛り込んでおく必要があります。借主の経営破綻に関したケースも、契約書に対処法を加筆しておくことで対策ができます。
どのような契約をするにしても、企業側は有能な弁護士の作成した条件を持ってきますので、必ず、税理士・弁護士・不動産会社の担当者の3者に相談をし、契約内容に抜けや漏れがないように、チェックする必要があります。
また、そもそも、事業主がそこに建物を建ててまで、長い期間の定期借地が成立するような場所は、土地条件が良いケースが多いので、持ち主が自分でアパートやマンション、ビルなどを建てて賃貸経営をしても、問題なく運営できる可能性があります。
定期借地をする場合は、先に、ご自分たちで土地活用をする方法がないかを模索した上で、判断してください。
【参照:国土交通省 定期借地権の解説】
9位:太陽光発電
太陽光発電は、土地活用の中で最もメジャーな賃貸経営において必ず求められる「集客力」を必要としない、独特な活用方法です。住宅用の太陽光発電と違い、産業用として発電規模が10kW以上を必要とします。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
低~中 | △ | × |
【メリット】
自営でも土地貸しでも、太陽光パネルを置くだけでよい手軽さがメリットです。自営の場合でも、設営は専門業者に作業をしてもらいますので、実質的には、土地オーナーは何もしないで土地活用がスタートできます。
パネルが生み出す電気を売電することで収入が得られ、売電計算などは中間業者が請け負いますので、パネルを設置したらほったらかしでもよい管理の手間のなさがメリットです。
【デメリットと対策】
日当たりの良い土地であることが絶対条件になります。パネル数が多ければ売電量も増えますが、その分、初期費用が大きくなります。初期費用の一部は、自治体からの補助金が適用できます。
自宅の屋根にパネルを置くのではなく、土地活用としてスタートする場合は、事業者として売電をしますので、最低でも30坪以上の日照時間が長い土地である必要があります。
ただし、そのような条件を持つ土地は、他の土地活用方法にとっても好条件ですので、その他の土地活用方法が使えない場合に限って、はじめて太陽光発電を検討するという優先順位にしてください。
太陽光パネルの寿命は10年前後ですので、10年以内に黒字化できない場合は、土地活用としては適していないことになります。
また、太陽光パネルは、企業によって取り扱うパネルの性能や寿命も違い、メンテナンス方式もバラバラなため、資料が手元にあっても、よくわからない傾向があります。
専門事業者以外にも、大手ハウスメーカーでも、戸建て・マンション・ビルなどに取り付ける規模の大きな太陽光パネルの取り扱いがあり、プランや説明もわかりやすく作られています。複数の不動産会社を通じて、太陽光発電の経営プランを比較し、不明点を担当者に質問しながら、理解を深めていくことをおすすめします。
10位:郊外型店舗
郊外型店舗にテナントとして貸し出す、郊外に大きな土地を保有している場合に適した活用方法です。
初期費用 | 収益性 | 節税 |
---|---|---|
低~中 | △ | ◎ |
【メリット】
アパートやマンションなどの住居としては適していない、交通量の多い土地や、広すぎる土地であっても、土地活用ができます。エリア全体の移動手段が車であることが多いため、駅から遠いことがデメリットになりません。
契約相手は事業者ですので、10年単位の契約となり、長期安定収入が約束されます。建物や敷地管理も専門業者に委託するか、テナントが自主管理するため、土地オーナーに管理の手間がないビジネスモデルです。
土地だけ貸して、事業者が上物を建てた場合は、撤退時に更地に戻してもらえます。収益物件として相続税の節税効果があり、建物を土地オーナーが用意した場合は、莫大なローンで相続税額を大きく減らす効果もあります。
事業者へ貸した状態のままで相続も事業継承もできますので、土地活用をした状態のまま、資産を次世代に遺すことができます。
【デメリットと対策】
契約していた事業主に撤退されると、収入が途絶えます。土地には、今までいたテナントに合わせた建物があるため、撤去をしてもらえない場合は、次のテナント探しが難しくなります。
また、賃貸をしているエリア全体に人気がなくなった場合は、テナント経営が厳しくなり、賃料の減額要請か、撤退となります。
対策としては、契約書に途中解約に対するペナルティを盛り込んでおくことで、途中解釈のリスクを回避できます。
3.土地活用を行う理由ランキング
人気の土地活用方法について説明しましたが、次に「なぜ土地活用を考えているのか」そのきっかけを理由が多い順に解説していきます。もしこの中の理由が当てはまれば、上記で説明した土地活用があてはまるかもしれません。
3-1.相続税対策をしたい
順位 | 土地活用方法 |
---|---|
1 | アパート経営 |
2 | マンション経営 |
3 | 戸建て賃貸 |
相続税対策として、土地活用をするケースです。
相続の対象には、主に、預貯金や株式などの金融資産と、土地建物などの不動産があります。仮に、1億円の金融資産がある場合、相続の際には、お金はそのまま1億円として100%課税されます。
しかし、相続税対策として、持っているお金を土地や建物にしておくと、複数の特例を適用して評価額を減額し、相続税の課税対象額を下げることができます。
さらに、アパートやマンション建築のためにかかった住宅ローンは、マイナスの資産として相続税課税対象額から差し引かれますが、経営中のアパートやマンションから入ってくる賃料は、相続税の対象外となります。
相続税対策として土地活用をしておくことで、税額を減らし、親から子、子から孫へと、大事な資産を受け継いでいくことができます。
土地や不動産の絡む相続税の不安をお持ちでしたら、土地活用会社に相談してみるのが解決の近道です。土地活用会社では、相続税対策として有効なプランの提示も受けられます。
「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」では、相続税対策までしっかり考えて提案をしてくれる土地活用に強い会社を選んで複数ご紹介できます。複数の土地活用会社の経営プランを一括請求することができますのでご活用ください。
3-2.節税対策をしたい
順位 | 土地活用方法 |
---|---|
1 | アパート経営 |
2 | マンション経営 |
3 | 戸建て賃貸 |
土地活用は、普段の税金対策にも効果があります。ご所有の土地が更地の場合、そこに住居となる建物を建てておくだけで、住宅用地の特例が適用され、最大で1/6まで固定資産税が下がります。
建てた住居には自分が住んでも良いのですが、人に貸せば、その土地から家賃収入を生むことができます。確定申告が必要になりますが、その際にも、建てた戸建て・アパート・マンションなどの減価償却費や建築費の一部や運営費を計上して、毎年、所得税や住民税の減額ができます。
会社員をしながら副業として土地活用をする場合には、副業である収益不動産で赤字になった場合でも、会社の給与と収益不動産の赤字をぶつけて相殺できますので、会社で支払っている源泉徴収分が還元されることもあります。
3-3.家族に土地を残したい
順位 | 土地活用方法 |
---|---|
1 | アパート経営 |
2 | マンション経営 |
3 | 戸建て賃貸 |
代々受け継いできた土地を、相続の際に売却をすることなく、しかし、家族に負担にならないようにしたい場合も、土地活用をすることによって実現できます。
また、遠い将来に、道路開発や土地開発により駅が増設され、ご所有の土地が駅前の好立地の土地になることなどを見越して購入していることもあります。
生前にご家族にそのことをよく説明しておいても、子、孫、ひ孫と継承されていくうちに、カンタンに不動産を手放して現金化してしまう親族が出てくる可能性や、心無い業者などの口車に乗せられて、せっかくの好条件の土地を二束三文で手ばなしてしまう可能性も出てきます。
ご所有の土地に、何らかの土地活用を施しておくことで、売ろうと思ってもカンタンには売却できない様にしておくことができます。土地活用をしたからと言って、土地を手放すことを100%防げるわけではありませんが、手続きの煩雑さや、関係者の同意が必要で根気がいる作業が加わることにより、抑止力になることが期待できます。
3-4.資産運用・投資をしたい
順位 | 土地活用方法 |
---|---|
1 | アパート経営、マンション経営 |
2 | 戸建て賃貸 |
3 | 駐車場経営 |
土地を使った運用や投資をご検討の場合も、土地活用は役に立ちます。特に、インフレ時には、土地活用による投資をすることで、インフレ対策となり、大切な資産を守ることができます。
インフレ中はお金の価値が下がり、モノの価値が上がります。土地や建物のような不動産は、現物のあるモノですので、インフレ中は価値が上がります。
反対に、持っている資産のほとんどがお金の方は、口座にお金があるだけで、インフレが進むに従い、自動的に資産が目減りしていきます。
インフレ時には、口座にあるお金を使って不動産を購入したり、建築したりすることで、資産の目減りを防ぐことができます。
不動産はマイホームでも、投資用物件でもよいのですが、マイホームとして取得した場合は、インフレによる価値上昇の恩恵を具体的に受けるためには、値上がり時に売却をして差益を得るしか方法がありません。
しかし、不動産投資物件として、アパートやマンションなどの賃貸用住宅を建てた場合には、目減りする預貯金のカバーができ、建物から収益が発生し、さらに借りているローン残高も、お金の価値の目減りによって実質上減額させることができます。
また、これからインフレが続いたとしても、賃貸経営の家賃は物価に合わせて上昇することが多いので、インフレによる貨幣価値の下落は、家賃には影響をしないという点でも、投資対象として優れていると言えます。
3-5.将来の安定収入が欲しい
順位 | 土地活用方法 |
---|---|
1 | アパート経営、マンション経営 |
2 | 戸建て賃貸 |
3 | ロードサイド店舗経営 |
土地活用をすることにより、ご所有の土地を収益不動産にできると、将来の年金代わりや、生活費のサポートにすることができます。
すでに「老後の2,000万円問題」として何度もニュースで取り上げられているように、老齢年金(厚生年金・国民年金)だけでは、快適な老後の暮らしを維持するのは難しいと言われています。
将来の年金不安や収入不安をクリアにするためには、今のうちから、貯金や年金以外の方法で収入を得られる手段を構築しておく必要があります。
土地活用は、持っている土地を収益化することが目的ですが、特に、アパートやマンション経営などの活用方法は、長期的に安定した収入を得る方法としてビジネスモデルが確立しており、はじめての土地活用でも安心してスタートできます。
4.成功する土地活用を選ぶ際の注意点
本章では、土地活用をスムーズにスタートできるように、3つの注意点をまとめています。
- 土地に合った活用方法を選ぶこと
- 収益性も大切にすること
- 複数の土地活用プランを比較すること
4-1.土地に合った活用方法を選ぶこと
土地活用は、あくまで、土地から収益が生まれるようにするものです。そのため、土地オーナーがやりたいことではなく、土地が有効活用できる方法を選ぶようにしてください。
ご所有の土地には何が適しているのかは、不動産のプロフェッショナルである不動産会社や、ハウスメーカーに確認にしましょう。
経験と実績のある企業が、「何が一番あっている土地活用方法か」を前提に、建築プラン、収益性や将来性などを試算した経営プランを提案してくれます。
複数の会社のプランを比較していくうちに、自然と、何が適切な土地活用方法なのかが理解できるようになります。
4-2.収益性も大切にすること
土地活用方法は、今回ご紹介したもの以外にも選択肢は多く、土地条件が許すのであれば、一つの土地で、複数の活用方法を併用することもできます。
今回紹介した中にも、初期費用0円でスタートできる土地活用法がいくつかありましたが、現実の土地活用は、完全無料というわけではありません。
土地活用の内容を調べるための費用や資料代、セミナー参加費など、動き出すまでの準備には、それなりのお金がかかり、これらは経費となります。
また、土地には固定資産税がありますので、土地を持っているだけで、今までも税金を支払い続けているのです。
最低でも、固定資産税や活動費が賄える程度の利益は出るような、土地活用を選ぶことをおすすめします。
4-3.複数の土地活用プランを比較すること
土地活用方法は多数ありますので、どれか1つだけを自分1人で決めるのはかなり難しいと言えます。
また、選んだ土地活用方法が、ご所有の土地に適しているのかは、自分1人では、判断しかねることがあります。
気になる土地活用方法がある場合は、複数の不動産会社やハウスメーカーから、建築プランや経営プランを取り寄せて比較することをおすすめします。
不動産会社もハウスメーカーも、それぞれの個性がありますので、同じ土地活用プランでも、その企業によって違う内容を提案してくれます。
複数の建築プラン・経営プランは、NTTデータグループが運営する土地活用資料の一括請求サイト「HOME4U オーナーズ」をご活用ください。
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気に入ったプランがあれば、現地まで訪問査定に来てもらうことで、より精密で適切な土地活用方法を不動産のプロによって、絞り込んでもらうことができます。
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