土地活用方法として人気のアパート経営には様々なメリットがあり、安定した経営ができれば長く収益をもたらしてくれます。ただ、その一方でデメリットもあり、リスク対策をしっかりと行うことが大切です。
この記事では、アパート経営を考えている方に向けて、以下のポイントをご紹介します。
- アパート経営のメリットとデメリット・リスク
- 今後のアパート経営で押さえておきたい市場動向
- アパート経営を成功させるためのデメリット対策
ぜひ参考にしていただき、アパート経営を成功につなげてください。
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アパート経営のメリット・デメリット
土地活用で人気のアパート経営にはメリットが多くあります。代表的なメリットは以下のとおりです。
- 長期的に安定収入が得られる
- 生命保険代わりになる
- インフレ対策になる
- 節税対策になる
- アパートは比較的建てやすい
- 物件管理や経営のサポートが受けられる
一方で、デメリット・リスクもあるのがアパート経営です。代表的なデメリットは以下のとおりです。
- 空室リスクがある
- 建物の老朽化や修繕リスクがある
- 災害リスクがある
- 初期費用が大きい
- 金利の上昇リスクがある
- 入居者トラブルのリスクがある
- 相続財産として分割しにくい
アパート経営では、これらのメリットを最大化し、デメリットやリスク対策を行うことが必要です。
メリットについて詳しくは「アパート経営のメリット」を、デメリット・リスクについて詳しくは「アパート経営のデメリット・リスク」をご確認ください。
アパート経営で押さえておきたい今後の動向
賃貸需要は社会情勢によって変化するため、アパート経営を成功させるには市場動向を押さえておく必要があります。アパート経営を行うエリアにもよりますが、基本的なものとして押さえておきたいのは以下の点です。
- 人口は減少していく
- 賃貸物件数は上昇傾向
- 空き家率の上昇
詳しくは「アパート経営で押さえておきたい今後の動向」をご確認ください。
アパート経営を成功させるためのデメリット対策5つ
アパート経営を成功させるには、デメリットやリスク対策をしておくことが必要です。以下の点に気を付けましょう。
- 立地の良い場所にこだわる
- 老朽化対策には適切な管理と修繕計画
- 適切な保険やサービスに加入する
- 資金計画・収支計画を慎重にチェックする
- 信頼できるパートナーを選ぶ
詳しくは「アパート経営を成功させるためのデメリット対策5つ」をご確認ください。
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1.アパート経営のメリット
アパート経営は土地活用の定番と言われ、多くのオーナーに選ばれています。この章では、まず、アパート経営のメリットについてご紹介します。
1-1.長期的に安定収入が得られる
アパート経営は、オーナーとして健全な経営ができれば毎月安定した家賃収入を長期にわたって得ることができます。そのため、資産形成や老後資金の確保のためにアパート経営に取り組むオーナーも多くいます。特に、ローンを完済した後には、不労所得的な収入となります。
収益でいえば、一般的に定期預金や国債を購入するより高い利回りを実現しやすい点もメリットと言えるでしょう。また、賃貸需要が安定している場所に建てれば、オフィスビルや貸店舗などと比較すると景気による賃料の変動も少ないという特徴があります。
1-2.生命保険代わりになる
アパートのローン契約時には、金融機関を通じて「団体信用生命保険(団信)」に加入するオーナーがほとんどです。団体信用生命保険とは、ローン契約者が死亡したときや所定の高度障害になってしまった場合に住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。
そして、遺族がアパート経営をそのまま続けるなら家賃収入が得られ、売却するならまとまった金額が得られます。つまり、万が一のことがあった場合にも、家族に資産を残すことができるのです。
このように、生命保険のかわりとしてアパート経営を選択するというのも一つの方法です。
1-3.インフレ対策になる
アパートなどの不動産を所有することはインフレ対策にもなります。物価が上昇すると貨幣価値は下がりますが、不動産はインフレ時にもそれに合わせて価値が上昇します。また、インフレが起きると物価も上がるため、ゆるやかに家賃の相場も上昇していきます。これらの理由から、不動産はインフレに強いとされています。
インフレ対策をしながら資産形成ができる、という点もアパート経営のメリットと言えるでしょう。
1-4.節税対策になる
アパート経営は、ただ現金や土地を所有しているよりも節税対策に有効となります。対象となる税金には、相続税や固定資産税が挙げられます。
1-4-1.相続税
相続税対策に有効な理由は、アパートのような賃貸物件の相続税評価額は、時価よりも安くなるからです。
例えば現金は、現金の額面金額(時価)がそのまま相続税評価額となりますが、アパートの場合はこれより安くなります。現金で相続したときよりも低い資産として計算されるため、相続税を節税することができるのです。
1-4-2.固定資産税
アパート経営を始めると、土地と建物にかかる固定資産税の軽減措置が受けられます。ただ更地にしておくと軽減措置はなくコストのみが発生しますが、アパート経営で土地活用をすることによって、軽減措置を受けながら家賃収入が得られる点がメリットです。
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1-5.アパートは比較的建てやすい
アパートは比較的建てやすく、土地活用へのハードルがそれほど高くない点がメリットと言えます。
建てやすい一つ目の理由は予算面です。マンションやオフィスビルなどの土地活用と比較すると建物の規模が小さく、初期費用が抑えられます。
二つ目の理由は、建築規制による制限を受けにくい点です。アパートは工業専用地域や市街化調整区域などの特殊な用途地域を除き、多くの場所で建てることが可能です。所有している土地の用途地域に合わない土地活用はそもそも選ぶことができませんが、アパート経営は多くの土地で選びやすい方法となっています。
1-6.物件管理や経営のサポートが受けられる
アパート経営は、土地活用方法としてはスタンダードなものです。アパートを手掛けているハウスメーカーは多く、オーナーは条件に合う会社を吟味して選べる環境にあります。
賃貸経営というと身構えてしまう方も多いかもしれませんが、アパート経営は、管理の仕組みが確立しており、オーナーが苦労して管理しなくてはならないようなことはありません。
アパートの管理には、主に「管理委託」と「サブリース」の2種類があります。
- 管理委託:オーナーが管理会社に管理を委託し、オーナーと入居者が直接賃貸借契約を締結する管理方式
- サブリース:オーナーがサブリース会社にアパート一棟を賃貸し、サブリース会社が入居者と転貸借契約を締結する管理方式
オーナーはこれらの管理方式を選び、委託することによって楽に賃貸経営をすることができます。つまり、アパート経営を始めるにあたってパートナーとなる企業をしっかり選べば、物件管理や経営のサポートを受けられるため、特別な知見や経験がなくてもチャレンジしやすいのです。
2.アパート経営のデメリット・リスク
アパート経営はメリットばかりではありません。ネットや本などでは、「アパート経営はするな」とすら言われることもあります。この章では、アパート経営の失敗につながりやすい、デメリット・リスクについてご紹介します。
2-1.空室リスクがある
アパート経営のデメリットで代表的なものが、空室リスクです。アパートの空室は収入の減少に直結してしまうため注意が必要です。アパート経営を始めてもすぐ満室になる保証はなく、新築でも空室が出る可能性は十分にあります。
空室が出るとキャッシュフローの悪化や家賃の下落など、その他のリスクにもつながりやすいため、十分な対策が必要です。また、空室率が高くなるほど、相続時に支払う相続税の負担も大きくなるケースもあります。
2-2.建物の老朽化や修繕リスクがある
アパートは築年数が経過すると老朽化し、外観、内観、設備面のいずれも修繕すべき箇所が増えてきます。老朽化した物件では入居者の確保が困難になり、家賃を下げなくてはならなくなってしまうこともあります。
安定した入居率を保つには、適切な修繕やメンテナンスは不可欠です。また、10年~20年に一度は大規模修繕をする場合も多いため、あらかじめ必要な経費を積み立てておくことも欠かせません。
2-3.災害リスクがある
アパート経営には災害リスクがあることも押さえておく必要があります。地震や台風、火災などの災害でアパートが全壊してしまったり、大きな被害を被ってしまったりすることがあります。こうした場合、修繕の必要があるほか、不動産の価値が目減りして損失が発生してしまうリスクもあります。
こうしたリスクを軽減するには、火災保険や地震保険に加入しておくなどの対策が必要です。
2-4.初期費用が大きい
大規模なマンションよりは初期費用が抑えられるとはいっても、アパート経営の初期費用は、他の土地活用方法よりも負担が大きくなります。もちろん、自己資金ですべてを賄うオーナーは少なく、多くの場合でローンを活用してアパート経営を始めることとなります。
このように、数千万円単位の借り入れが必要となることは、アパート経営のデメリットといえるでしょう。初期費用が大きいため、収入を得られないとその分多くの負債を抱えてしまうことになります。健全な経営のためには3割程度の自己資金が必要とされていますが、不安がある方はどの程度の初期費用負担が必要なのか、あらかじめ確認しておきましょう。
詳しい初期費用が知りたい方は、「HOME4U オーナーズ」を使えば、建築費や間取りを含めた建築プランの提案を複数社から受けられます。
2-5.金利の上昇リスクがある
アパート経営の初期費用にローンを利用した場合には、金利の上昇によって最終的な返済額が変わってくるリスクがあります。固定金利でローン契約した場合には返済額は一定になりますが、変動金利で借りている場合は経済情勢によって変動するため、契約当初の金利より高くなる可能性があります。
特に借り入れが多い場合には、金利の上昇による返済額の増加も大きくなります。これにより一気に利回りが悪化してしまうリスクがあることは押さえておきましょう。
2-6.入居者トラブルのリスクがある
アパート経営では、入居者トラブルのリスクがあります。トラブルの実例としては以下のものが挙げられます。
- 騒音問題
- ゴミ出し問題
- 家賃滞納
騒音やゴミ出しなど、入居者間のトラブルにより退去者が出て空室となってしまう、悪い噂が立って新しい入居者が入りにくくなる、といった別のリスクにつながってしまう危険性もあります。
また、家賃滞納は家賃が入ってこないだけではなく、別の入居者を入れることもできないため、オーナーにとっては非常に大きな問題です。
2-7.相続財産として分割しにくい
アパート経営は相続税対策になる一方で、相続財産として分割しにくく、相続人同士のトラブルの原因となりやすいことは押さえておく必要があります。
アパートの相続方法としては以下の方法が代表的です。
- 相続人のうち1人がアパートを相続する
- 相続人で分割して複数人で相続する
- 売却して現金化し、相続人で分割する
どの方法であれば公平性を保って相続ができるのか、後々のトラブルにつながりにくいか、家族間で十分に話し合い、考えておく必要があるでしょう。
3.アパート経営で押さえておきたい今後の動向
賃貸需要は社会情勢によって絶えず変化します。また、アパート経営は数十年にわって行うため、10年、20年先の動向を予想しておくことが大切になります。
この章では、アパート経営で押さえておきたい今後の動向についてご紹介します。
3-1.人口は減少していく
総務省統計局が発表している「人口推計」によると、2022年9月の概算値では総人口は1億2475万人となっており、前年同日に比べ81万人の減少となっています。2010年10月では1億2752万人、10年でおよそ277万人の減少です。
【参照:総務省統計局 「人口推計」】
少子高齢化が進む現在、今後も人口の減少傾向は止まることはなく、加速すると予想されています。そのため、都心部など限られたエリアを除き、賃貸需要が低下してしまう可能性にも注意が必要です。
ただし、人口は減少していくものの、世帯数は増えているという統計もあります。国土交通省の「住宅経済関連データ」によると、平成30年の総世帯数は5万4千世帯となっており、増加傾向にあります。人口は減少しても、一人住まいの増加や核家族化がさらに進めば、賃貸需要はそれほど落ちないかもしれません。
【参照:国土交通省「令和5年度 住宅経済関連データ」】
アパート経営で需給を考える際は、このように先々の賃貸需要の動きを予想しておく必要があります。
3-2.賃貸物件数は上昇傾向
日本の人口が減少している一方で、賃貸物件の供給は続いています。国土交通省の「住宅経済関連データ」によると、令和2年度の新設住宅着工戸数(借家系)は31万戸。やや減少に転じてはいるもののほぼ横ばいの供給数となっており、未だ供給は続いていることが分かります。
人口が減少していく傾向の中で新しいアパートが増えれば、需要の奪い合いとなり、空室リスクが高まります。詳しい需給を把握するにはアパート経営を検討しているエリアの人口と供給数を見る必要がありますが、賃貸物件全体としては供給量にダブつきが出る可能性があることは把握しておきましょう。
3-3.空き家率の上昇
賃貸経営に関する動向として、賃貸物件の空き家率が上昇していることも押さえておく必要があります。国土交通省の「住宅経済関連データ」によると、空き家数は年々上昇しており、平成30年で848万戸が空き家となっています。
空き家率が増えているということは住宅需要が減っているということになり、賃貸需要も低下することが見込まれます。ただし空き家率は地域によってばらつきもあるため、アパート経営を検討しているエリアではどうか、確認しておきましょう。
4.アパート経営を成功させるためのデメリット対策5つ
アパート経営で成功するには、デメリットやリスク対策を適切に行うことが不可欠です。以下に、押さえておきたいデメリット対策を5つご紹介します。
4-1.立地の良い場所にこだわる
今後の動向から考えると、アパート経営にはより競争力が必要となってくることが分かります。健全にアパート経営をするために重要なのは入居率の高さが重要です。そして、アパートの入居率には立地条件が大きく関わってきます。以下のような点にこだわって立地を確認しましょう。
- 最寄り駅が多い
- 最寄り駅から徒歩圏である
- スーパーやコンビニが近い
- 生活に必要な施設が近い(病院、学校など)
入居率にはアパートの設備や外観なども関係しますが、これらは経年劣化で価値が落ちるものでもあります。一方で、立地条件は変わりにくいため、立地の良いアパートは築年数が経っても入居率が落ちにくい傾向にあります。
4-2.老朽化対策には適切な管理と修繕計画
老朽化対策は、資産価値を落とさないためにも、入居率を保つためにも非常に重要です。適切な修繕がされている物件は、家賃の下落がゆるやかになります。
定期的な修繕やメンテナンスはもちろんのこと、10年~20年に一度は大規模修繕が必要となるため、修繕費用を考えたうえで資金計画を立てることが必要です。
毎月一定額を積み立てるなど、計画的に準備しましょう。
4-3.適切な保険やサービスに加入する
火災や地震、洪水などの自然災害は、リスクを認識していても避けることはできないものです。そのため、適切な保険や保証サービスに加入しておくことはオーナー自身を守ることにつながります。
火災保険や地震保険は多くのオーナーが利用しているものですが、契約内容によって補償内容は変わるので、加入する前によく確認しましょう。
また、火災・地震保険以外に孤独死保険や家賃保証サービスなどを検討してみるのも良いでしょう。
- 孤独死保険:入居者の孤独死による家賃の損失、居室の原状回復費用などをカバーする保険
- 家賃保証サービス:家賃保証会社が入居者に代わり家賃の支払いをオーナーに保証するサービス
保険にもコストがかかりますが、必要な保険やサービスを利用することでリスクを軽減し、万が一に備えることができます。
4-4.資金計画・収支計画を慎重にチェックする
健全なアパート経営には、資金計画や収支計画をよくチェックし、現実的な計画にしておくことが必要です。これらの計画は、アパート建築会社から建物プランとあわせて提案を受けることができます。
収支計画は、少し控えめな家賃水準で作成しておくのがおすすめです。新築時の家賃水準は高めですが、築年数が経過するにしたがって家賃は下がるのが当然だからです。また、10~20年ごとの大規模修繕に備えられるよう、一定額を積み立てる計画にしておきましょう。
アパート経営の資金はフルローンをなるべく避け、自己資金で3割程度用意できていれば安心です。アパート経営では突発的な費用がかかることもありますが、その中には高額な出費となることもあります。そんなとき、資金に余裕がないと借入が増えてしまう可能性が高くなるでしょう。
4-5.信頼できるパートナーを選ぶ
アパート経営にはメリットが数多くあります。とはいえ、アパートの計画や建築、経営においてオーナー自身がすべてを自力で判断していくのは難しいところです。
大きな失敗を避けつつアパート経営を成功させるには、アパートの建築計画の策定や節税対策について、専門家からのサポートを受けながら進めていくのがカギです。オーナーの要望に寄り添い、専門家としての見地からサポートしてくれる建築会社なら、うまくリスク対策をしながら進められるでしょう。
信頼できるパートナーを選ぶには、まずは複数社へまとめて問い合わせをし、建築プランや経営プランを比較するのがおすすめです。
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